設計方針

シンプルな空間構成を基本としています。建築はプロダクトと異なり大きなものです。その空間の中で人は様々な所作をします。諸条件を分かりやすく、使いやすくまとめ、適度なゆとりをもたせるよう心掛けています。※「ゆとり」を「抜き」とも考えます。息抜き、風が抜けるのように。

配置計画

周辺環境に配慮した、敷地の特性を活かす機能的な配置とします。建築は建ててから建具や間仕切を変えることはできても、それ自体を動かすことはできません。配置が全ての基本です。まず良い立ち位置。その上で良い服を着せ、しっかりとその場に根付くこと。建築も人と同じです。

アプローチ

地域と建築をつなぐのがアプローチ。空間への導入となり、訪れる人の期待が高まる部分です。そのためメインアプローチは可能な限り道路から引きを作ると良いでしょう。パブリックからプライベートへと徐々に性格を変化させ、自然に心が切り替わるよう導きます。

動線計画

スムーズに目的とする場所へ行けるか行けないか。これが全てです。動線計画はまちづくりにおける道路と同じです。目的地の性格がまとまっており、多くの人が使う道から小さな道へと滑らかに枝分かれしていく。その上で道線途中に吹抜け等の仕掛けを設け、豊かさの共有を図ります。

内部空間

水平に伸びる空間では、その機能の変遷と共に目線をいかに誘導していくかを考えます。時には仕切らずに、エリアの集合体としてまとめると使いやすいでしょう。縦に伸びる空間では、上下の移動効果を活用し、使い勝手やプライバシー、落ち着きや開放感を得られるよう工夫します。

採光・通風

空間のテーマに沿った採光を基本とします。東西南北の光や、拡散する高い光と視線を集める低い光など、光の質を使い分けて計画します。通風は水廻りや上下階を考慮して、極力建物全体に気流が回るように考えます。開口部の計画では、採光、眺望、通風をそれぞれ別の目線で検討します。

温熱環境

温めすぎず、冷やしすぎず、室内で自然に過ごしやすい状態を目指します。軒や庇、開口部のコントロール、樹木の日陰で建物を冷やすなど、まず建築でできることを行います。外周部の断熱、気密や通気はその土地の温湿度に合わせて考えることが必要です。

外構

建築の印象は外構で大きく変わります。計画では予算を極力確保したく思います。限られた空間でも、陽樹と陰樹を効果的に使い分けた植栽を施すことで憩いの環境をつくります。景観形成においては、建物と門塀、樹木との立面的なバランスや、素材の統一性に配慮しています。

構造計画

空間と一対一となった、明快な骨格が良いと思います。特に大空間の醍醐味は構造の架構がもたらしてくれます。生き物の骨格と同じく、無駄なく適切なサイズの部材で構成することが大切です。予測不能な地震力や風圧力に対しても、建物全体でバランス良く支えることに配慮しています。

設備計画

設備設計では、建築の使われ方を考慮することが重要です。安易に設けるのではなく、品質やコストと共に、利便性、空間との相性を考慮して、一つ一つ利用者の行動をイメージして選定するよう心掛けています。保守管理のしやすさと審美性にも配慮した設備計画を目指しています。