軽井沢建築ツアー3

二日目の朝、ホテルの8階の部屋からパチリ。なぜか宿泊は北軽井沢(群馬県)、観光は軽井沢(長野県)。

 

昨夕は浅間山の溶岩がゴロゴロしている鬼押出しを横目に、一応軽井沢と呼ばれるエリアを走ってきました。

 

寝ぼけ眼に外を見てみたら、見渡すかぎりの原生林・・・。

軽井沢って大自然(田舎)なんですね。

 

さあ、この旅行記もやっと二日目(笑)

 

今日も生憎の雨ですが、張り切っていきたいと思います。

まずは聖パウロカトリック教会。写真も雨に煙ります、ご容赦下さい!

 

設計はアントニン・レーモンドです。

1935年、英国人のワード神父によって設立されました。

 

傾斜の強い三角屋根と大きな尖塔が特徴的なこの建物、なんとなく東欧の建物をイメージさせるな~と思っていたらそれもそのはず、レーモンドはチェコ出身。プラハで建築を学んでアメリカに渡ったんでした。

 

ちなみにレーモンドの師匠は巨匠フランク・ロイド・ライト。

第一次大戦後に帝国ホテル建設の為にライトと共に来日します。

その後日本で独立し、多くのモダニズム建築を残しました。

私も大学時代に設計の授業で、レーモンドの不二家ビルを改修する提案をしたことがあるので親近感があります。

 

ついでに言うと、このレーモンドに師事したのが吉村順三で、吉村順三に師事したのが昨日お会いした益子義弘先生。

こんなところに連綿と続く建築家の系譜があるのでした。

 

といっても本人たちにとってはこの系譜が必ずしもいいことばかりでなかったりもするようで・・・。

 

レーモンドに関して言えば、ライトの影響があまりにも大きすぎてそれから抜け出すのに苦労したとか。

 

自身の境地を開いてからはモダニズム建築の最先端を走るようになりますが、どことなく伺わせるものも時に会ったり。

日本の様式との出会いも大きかったと思います。木造や、市松模様も大好きですしね。

 

さて、お次は脇田美術館にやってきました。

といってもアールの建物が目的ではありません。

お目当てはその横にちら見しているこの建物。

 

柱で建物が宙に浮いている、吉村順三が設計した脇田山荘です。

 

1970年、西洋画家・脇田和のために建てられたこのアトリエ付住居は、コンクリートによって木造の居住部分が地面から持ち上げられ、庭のコブシの木を扇の要として「く」の字プランが30m余りに渡って伸びています。

 

抽象画を描く画家ですから、こうして世間から少し切り離した感覚も必要だったのかもしれませんね。

中庭より

さきほど美術館の建物本体お目当てではないように書いてしまいましたが、もちろん美術館もいいです(笑)

大前提で脇田先生の絵はなかなかいいです。というかかなり。私、おもわず作品集を買っちゃいましたから。

なんだろう、熱があるというのかな。それもシルキーな泥が60度位の温度であるような感じ。

 

東京芸大の版画科で教鞭をとっていたということですから、同じく東京芸大の教授だった吉村さんとの縁はそのあたりでしょうか。とてもダンディーな方です。

 

ただ今回残念だったのは、山荘の木の外壁が薄いグレーで塗装されていたこと。後で出来た隣の美術館に合わせたんでしょうか・・・?

 

まあしょうがないといえばしょうがないんですが、作品集を見ると、竣工当時は杉板の素朴な味わいが雪景色に映えてとても綺麗でした。

 

旧軽銀座の俗っぽいところには目もくれず、お次は近くのとあるギャラリーへ・・・。