設計条件とイマジネーション

建築計画Ⅱの授業で「私達の村」というシリーズ課題(全三回)に取り組ませています。

 

小さな公共を考えるということをテーマに、最小単位をベースに人との関わりや生活の営み、時間、風土を意識してもらいたいという願いで設定しました。

村の夕べを現す建築を計画するという、場所も規模も自由な課題から始めましたが、どうも自らのイマジネーションでストーリーを紡ぐことが苦手らしく、また村ということも詩的に捉えることがなかなか出来ない様子。仕方がないのでもう少し具体的に、村のチャペル(ここでも迷走を繰り返し登場人物の複雑な人間関係に陥る(笑))、道の駅(今日本の地域や社会状況を見据えて考えたい)と続いてきました。

 

聞くと、条件や与えられた課題に対してはどう対応するかを考えられるけど、そもそもの世界観を考えることはできない(もしくは現実感のない暴走。面白くも有り、痛々しくも有り)生徒が大多数。

 

そうかな~と自分は残念に思うけど、ここは大事なところなのでしっかり受けとめておいて欲しい。

演出家とプロデューサーの違いだ。

 

細かくディレクションすることもいいけれど、時に物事を大局的に見る目も持っていて欲しい。そしてそれがどんどん展開していって世界が膨らんでいく。

現実の世界だって、本当は最初は小さなイマジネーションから始まるのだと思う。

 

あと三回の授業。

何とか最後はいい形になってくれるといいなと思う日々です。