お茶刈り

こんにちは農業デザイン部です。今この記事を書いている両腕はブルブルです。

それはなぜかといいますと、上の写真。何だかわかりますか?

そう、お茶です。新茶です。ここ静岡は現在新茶の季節真っ最中。URAYAMA FARMも例外ではありません。ユリノキのそばで、すくすくと育った茶葉達が「刈ってくりょ~」と言っています。

そのリクエストにお答えし、刈ってまいりました。もちろん完全武装です。この時期日差しが強いですからね、日よけの帽子に首にはタオル、長靴と作業ズボンにシャツはイン!手元は軍手で守ります。大規模茶農家さんではありませんので、まずは飲む分を確保するために、5畝で60キロを目標に手刈りでジャキジャキと刈っていきます。

上から手元を見るとこんな感じです。ハサミの片方に地面まで着く長い袋がついており、刈った茶葉を入れていく仕組みになっています。まさにお茶刈りのための道具って感じです。

刈る時のポイントは、茶の木の上にハサミをポンっと置いてからハサミを使うこと。上空から新茶だけ狙ってハサミを使うと、グイッと入って下の硬い葉や小枝まで刈ってしまいます。新しく伸びた良いお茶だけを刈り取るために、ポン、ジャキ、ポン、ジャキ、ポン、ジャキっとリズミカルに水平に。邪念は捨て無心でやるのが吉です。

心地よい風が吹き抜ける良い天気です。小鳥のさえずりも聞こえます。新緑の季節のFARMは生命力に溢れています。時々サイドも刈りながら、全体を見ながら進めていきます。

しかしこの茶の木の造形って不思議ですね。ちょうど人が刈り取りやすい高さと幅に上手に揃え、生産効率があがるように程良い長さでキープされています。この幾何学的造形が、農業空間における原風景であることは間違いないでしょう。程良い丸みも愛らしいです。

刈った茶葉は、時々かごに集めて重さを量ります。URAYAMA FARMの軽量は、昔ながらの分銅式です。大体5~7キロぐらい刈ったらかごに移していた感じでしょうか。量りながら、なぜかセイロンやアッサムで茶を積んでいる人々の姿を思い浮かべてしまいました。紅茶だって最初は緑。世界中のお茶にかかわる人々が、こうして収穫を喜んでいることでしょう。

最後にオーナーに確認いただき本日の作業は終了です。お茶工場の乾燥にかける機械が30キロぐらいの容量なので、持って行って2回かけてもらえば調度よい具合です。

 

そうそう、写真でオーナーがかごの中に手を突っ込んで、何かを確かめてかき混ぜていますが、何だか分かりますか?

 

正解は温度です。

 

刈り取った新茶は熱が出ます。放置しておくと蒸れて萎れてきてしまうので時間はありません。でもどうせ製茶する時に熱を加えるんでしょというのはまた別の話。適正なタイミングで適正な温度管理を行わなければ良いお茶にはなりません。急いで軽トラックに乗せてお茶工場に運び出しました。

製茶され手元に届くまでしばし。楽しみに待つことにします。興味のある方はお声掛けください。おすそ分けします。