幸兵衛窯

多治見市市之倉町の幸兵衛窯さんを訪れました。1804年開窯の由緒ある窯元さんです。

市之倉町は岐阜県と愛知県の県境に位置し、平安の昔から窯の火を絶やさず焼きものを作り続けてきた窯元の集落です。古くは山茶碗が山の斜面を利用した穴窯で焼かれ、美濃の窯では市之倉が初めて(1804年)磁器を焼くことを許されました。

幸兵衛窯さんは市之倉の代表的な窯元であり、現在は第7代幸兵衛氏の指導のもと、多数の熟練職人を擁して和食器の制作を行っていらっしゃいます。

案内されたこの建物は、福井から古い建物を移築したものだそうで、立派な柱と針が黒々と光沢を光らせていました。

歴代の幸兵衛氏達が研究し収集した、ペルシアや中国、朝鮮、日本の磁器達が陳列してあり、常に研鑽を積み、挑戦しながら200年以上の時をつないで来たことが分かります。

 

裏の山側に回るとしっとりとした庭園があり、こちらは情緒たっぷりです。代々の幸兵衛氏の趣味で時代ごと少しずつ違うとか。

歴代幸兵衛の方々は、江戸城へ染付食器を納める御用窯となったり、中国磁器を研究して岐阜県重要無形文化財保持者の認定を受けたり、宮内庁正倉院への復元制作での功績で人間国宝に認定されたり、海外の国立美術館や博物館で多くの個展を行い外務省に買い上げされたり表彰されたりと、まさに磁器の第一線を走り続けてきた人たちばかり。

 

7代、8代の方は京都市立美術大学出身とのことで、大学の美術科で陶芸を専攻する人の中には、やはり生業としている窯元の人たちがいるんだなあと、今更ながら伝統の力に感心してしまいました。そして美濃の地で感じたことは、皆さんだいたい京都に学びに行きますね。伝統と革新の中で審美眼を磨いて来ることが大切なんですね。