笛吹川フルーツ公園

3月に入り、春らしくなってきました。今日は少しドライブして山梨県の笛吹川フルーツ公園にやってきました。ガラスのドームは建築家の長谷川逸子さんの設計です。

甲府盆地の北側斜面に位置し、山麓を流れる笛吹川の向こうに盆地を一望できるロケーション。3つのガラスのドームは、斜面の高低差を巧みに利用して配置され、山梨県の果樹栽培やワインの歴史や展示空間、イベント空間が設計されていました。

実は今回の目的は、子供の屋外遊具や動的な空間。現在設計中の幼児施設の参考になればと思い、幼稚園に通う娘を連れてやってきました。一度遊び始めると、なかなか帰ってきません。

今日は私の誕生日なのに、仕事のことも考えている。えらいでしょ、と自分を褒めてみる(笑)。

静岡県の人にとって、この眺めはなかなか経験する風景ではないんです。あの山の向こうに、山中湖、さらに行って御殿場がある感じでしょうか。山裾を目で追うと、甲府盆地の縁の部分を認識できました。

 

実は数年前、建築家協会で発行している冊子の表紙に、井上靖の小説の表紙の写真を掲載したことがありました。この本は自分の私物で、手にしてから何十年も経ちます。物語の中に広がる空間と時間を小説として巧みに設計しており、興味が尽きず何度も読み返してきました。

ただ一つだけずっと気になっていたのが、表紙の山の絵の寂しさ。甲斐の国の山は本当にこんな感じなのだろうか。駿河の国にいると、冬でもこんな山は見たことがありません。針葉樹に覆われ、常に青々としているからです。しかし今回初めて納得しました。同じだ。あの山塊に囲まれていたから、信玄達は外へ出たいと渇望していたのでしょうね。