2026年

6月

05日

H邸 竣工/若松町の家

昨年末から工事していたH邸が竣工しました。シンプルな切妻屋根の木造平屋建て住宅です。

インテリアには木を用いてモダンに仕上げ、これから少しずつグリーンを整えていきます。

この一週間は、竣工引渡し、家具納品や組立て、引っ越しにアフターフォローと忙しい日々でしたが、お施主様の新生活が始まりましたことを、心よりお喜び申し上げます。

一緒に頑張ってきた日々は長いようであっという間でしたね。改めて、ご依頼に感謝いたします。

これから住まい手の生活と建築が一つになり、良い住宅になることを心からお祈り申し上げます。

 

この住宅は、若松町の家と呼ばせていただき、作品ページに掲載させていただきます。

住宅を検討中の皆様、私と一緒に創り上げてみませんか。どうぞお気軽にご相談ください。

2026年

5月

27日

紫陽花(あじさい)の土

5月も下旬になり、だんだん夏が近づいてきたことを感じます。

さて今日は庭の植物について。

住宅では外構や植栽計画で雰囲気が大きく変わりますよね。どんな植物が合うか皆さん悩みますし、庭づくりを始めた後も試行錯誤しながら作り上げていく楽しみがあります。

とはいえ、植物の管理は住まい手の性格や関心、ライフスタイルに負う部分が多いので、仕事が忙しくて庭の管理まで手が回らない人には、現実的な選択を進めることもあります。無理に樹木を地植えにしないで、観賞用の低木を鉢植えで屋内やテラスに置いても素敵です。今は陶器のように見える軽い鉢が主流ですので、手軽に美しく整えることができてお勧めです。

 

さて、写真は私の実家の庭の紫陽花です。そういえばうちの紫陽花はいつも青いな~と思っていたのですが、最近調べてみると紫陽花の花色は土の成分と関係があるとのことでした。

土壌のphが酸性だと青色、アルカリ性だと赤色になるようです。日本はよく雨が降るので基本的に酸性土壌が多いのですが、水分が多いとアルミニウムが溶けやすく、そのアルミニウムを紫陽花が根から吸収して青色の花となります。

雨があまり当たらない軒下で水道水だけで育てたり、石灰をまいた土では赤色(ピンク)になるようです。土の成分操作で色をコントロールできるようなので、様子を見ながら気長に育てていくと多様な色味を作れそうですね。

 

ちなみに家庭菜園で野菜やハーブを作ってみたいと思う方は、酸性の土で育つもの、アルカリ性の土で育つものが分かれますのでご注意ください。例えばジャガイモは酸性土壌を好みますが、ホウレンソウは向きません。ローズマリーやラベンダーはアルカリ性土壌で育ちやすいハーブです。まず土の性質を知り、作物選びをしてから取り掛かると良いでしょう。楽しんでみてください。

 

 

2026年

5月

20日

レモンとブルーベリー

久々に、藤枝市岡部町のURAYAMA FARMの投稿です。

今まであった茶の木が古くなり生産に向かなくなったので、去年より茶畑を撤去して耕地整理をしています。

さて今週のレモン畑では、レモンの赤ちゃん(幼果)が生っています(写真の白い花の隣に)。それぞれの花が咲き終わったところから顔を出してきて、だんだん大きくなって実になるのですが、新しい葉もレモン特有のフレッシュな香りがしてとても癒されます。

ブルーベリーの方は、最近周りの草刈りをしたり、苗木を増やしたりしたのですが、もう房にどんどん実がなっていました。今年は多いかもしれません。これから摘果作業が必要になってきます。

ブルーベリーの収穫時期は夏ですので、欲しい方がいらしたら、お気軽にご連絡くださいね。

 

 

2026年

5月

18日

H邸 デッキテラス工事

H邸の工事も終盤に近付き、現場の大工さんはここ数日デッキテラスの施工にかかりきり。

半屋外空間で雰囲気がガラッと変わるため、設計者としても気になってよく見に行っています。

この日は幕板の施工でした。全員等間隔で作業している姿が微笑ましく、記念に一枚。

今月末の竣工に向けて外構工事も始まり、最終調整に余念がない日々を送っています。

ディテールに神は宿る。喜んでもらえるように、じっくり丁寧に頑張ります。

 

 

2026年

5月

01日

アンドリュー・ワイエス展

ゴールデンウィーク、東京都美術館で始まったアンドリュー・ワイエス展を見てきました。東京都美術館開館100周年記念事業です。東京都美術館は、1925年に様式建築の名手とうたわれた岡田信一郎が設計した旧館が開館しましたが、現在の建物は1975年にモダニズム建築の巨匠・前川國男が設計してできた新館となっています。

美術館へのアプローチは、広場のGLから地下広場に下りて館内にアクセスする計画ですが、これは風致地区の高さ制限や公園法の関係から、要求床面積の半分を地下に埋めなければならなかったことが起因しています。設計当時、旧館の17,000㎡の倍近い、31,000㎡の床面積の確保を求められたことから、必然的な選択だったとのこと。

新館の建設からも年月が経ち老朽化が進んだため、2010年から2年間かけて、大規模改修工事が行われ、設備の全面更新やユニバーサルデザインの導入が図られました。

アンドリュー・ワイエス(1917-2009)は、20世紀アメリカ具象絵画を代表する画家です。

第二次大戦後に脚光を浴びたアメリカ前衛芸術の喧騒からは距離を置き、ひたすら身近な人々と風景を描き続けた画家でした。故郷ペンシルベニア州と夏の別荘のあるメイン州を生涯拠点とした創作姿勢は、同時代的には控えめに映るかもしれません。

しかし、挿絵画家だった父の手ほどきを受けて画家への道へ進み、20歳の時に開いた個展では全作品が完売するなど、若くして頭角を現して確かな実力を蓄えていきました。

 

今回初めて作品を見て私が驚いたのは、水彩画であみ出したドライブラッシュという画法が精緻な表現を生み出し、作家の精神世界を表現するうえで非常に有効に働いていることでした。決して派手な色彩を使っているわけでもなく、大前提で構図や下書きの精度が決している部分が大きい、普遍的なものを感じました。

今回の展覧会のテーマ「境界」にあるように、作中の窓やドアなどが境界としてのモチーフとして存在しており、境界に立つ時の心の動き、現実に潜むもう一つの真実を描き出そうとしています。建築家の自分としては、物体を通して詩を表す感覚が非常によく分かり、強く印象に残りました。

 

 

2026年

4月

12日

松崎町 旧依田邸

伊豆半島西海岸南部の賀茂郡松崎町を訪れました。なまこ壁の建物や倉で有名な街ですが、今回の目的は那賀川上流の大沢地区に位置する旧依田邸です。大沢温泉もある、川沿いの桜並木が美しい場所です。

この地の名主として豪壮な庄屋屋敷を構えた依田氏は、元は武田家の家臣でした。武田家滅亡の折り、西から織田・徳川、東から北条に挟まれ、目指したのが南の伊豆半島。伊豆松崎の大沢の里まで逃れ、以来この地に根をはり、江戸幕末を迎え歴史が動きました。

 

江戸時代、松崎港は駿河湾沿岸の「風待ち・潮待ち港」として繁栄しました。伊豆半島西側は峻険な山や谷で分断され陸路による物資の運搬が困難であったため海運が発達し、年貢米や鰹節、上方の商品などが松崎を経由して江戸に運ばれて行きました。

また、気候温暖な松崎の地は桑の栽培に適しており、古くから良質な早場繭の産地でした。

幕末になると近くの下田が開港したことから情報が伝わり、横浜の生糸商人が大量に買い付けに来て、繭価の基準「伊豆松崎相場」が欧米で有名になるほどでした。そんな時代背景を受け、明治4年に依田家第11代当主の依田佐二平氏は、当地にフランス式製糸工場を建てます。女子工員を官営富岡製糸場に派遣し、そのノウハウを習得して事業を確立。目の前を流れる那賀川の舟運で松崎港まで生糸を運び、下田、横浜を経て欧米に輸出して富を築きました。

そしてその財を地域に注ぎ、小学校や中学校を創立、女子教育にも力を注ぎました。同時に海運会社や銀行を興し、松崎町発展の礎を築きました。以前、松崎には昔高等女学校があって、裕福だったと人に聞いたことがあったのですが、今回初めてつながってきました。

更にこの方、静岡県賀茂郡長や県議会副議長、第一回帝国議会衆議院議員に当選するなど、すごい勢い。今の松崎のゆったりとした雰囲気とは違う、熱い時代でした。

ところで皆さん、北海道の十勝平野帯広の六花亭というお菓子の会社はご存じでしょうか。美味しくて有名ですよね。そこの商品であるバターサンドは、松崎町の依田家にゆかりの商品です。

佐二平氏の弟の依田勉三氏は、慶應義塾で学んだ後に北海道開拓に目覚め、故郷で教師を務めた後に北海道開拓を志す晩成社を設立しました。現地調査研究を経て、明治14年に北海道に渡り、帯広の地の払い下げを受け、開拓に取り組みます。当時の帯広の地は、アイヌ10戸、和人1戸の本当に小さな集落だったようです。

晩成社は、イナゴや冷害に襲われながらも、様々な畑作、稲作、酪農、加工などの事業を展開しました。しかし経営は上手くいかず、ついに力尽き、大正5年に晩成社の活動は終わりを迎えました。

晩成社は残りませんでしたが、その活動や取り組みは十勝発展の礎となり、六花亭は晩成社を記念して〇の中に成(セイ)のマルセイバターサンドを作りました。マルセイは1905年に晩成社が北海道で初めて商品化したバターです。その流れが引き継がれ、松崎町は昭和53年に帯広市と開拓姉妹都市を締結しました。

人に歴史あり、一族に歴史あり、まちに歴史あり。ツーリング途中に温泉に入ろうと寄り、こんなに熱い話を知りることになるとは思いませんでした。併設している大沢温泉もいい湯ですので、是非お立ち寄りください。

 

 

2026年

4月

02日

jin cafe

4月になり、富士市吉原のjin cafeさんを訪れました。こちらは築100年の古民家を改装したカフェでして、オーナーは富士市の電気設備会社の代表の方。昔は景気が良かった吉原のまちに再び明かりを灯そうと、駅前の古民家を譲り受け、手をかけてお店を開いたそうです。

古民家リノベーションの参考になればと来たのですが、いやいや。こちらはスタッフの方もお店の手入れも本当に丁寧。平日の雨空にもかかわらず、すぐ満席になりました。

建築の軸組は極力そのまま使いながら、家具や什器に良いものを選び、設備を現代的に更新した空間となっています。

私も3月末に長かった幼稚園の仕事が終わり、ほっと一息させていただきました。温かいコーヒーが沁み渡り癒されました。3年間いろいろな事があり、ずっと気を張っていたので、心身共に休養が必要だったんですね。ありがたいです。これからの人生をゆっくり考えてみようと思えた時間でした。

2026年

3月

24日

静岡サレジオ幼稚園 内覧会

3月吉日、静岡サレジオ幼稚園ドン・ボスコハウスが竣工し、本日午前に学園関係者向けの内覧会が行われました。自然の木を多用した、明るいおおらかな空間の中で、多くの参加者の顔から笑みがこぼれる姿を見て、設計者として心から安堵しました。

関係各位のご尽力のもと、この日を迎えられたことを心から感謝いたします。

本当にありがとうございました。

 

「これからどんな教育をするか、ワクワクしながら準備します!」

と、幼稚園の先生方がはりきっていてくださり、新学期がとても楽しみです。

神の恵みのもと、素晴らしい教育の場になりますように。

子供たちに友達がたくさんできますように。

 

2026年

3月

22日

浜名湖 湖北五山 方広寺

3月も後半になり、暖かくなってきました。時々急に寒くなったりしますが、静岡の桜の開花はあと1~2週間というところでしょうか。

さて今日は、新しいカメラの試し撮りということで、浜名湖の湖北地方にある名刹、方広寺を訪れました。複雑な意匠を持つ伝統建築の軒先や屋根を上手く写せるか、練習です。

撮影テーマは、絞り優先でピントが深く合う建築写真が撮れるかどうか。一般的に建築写真の撮影では、ボケを抑えるためにF値8~11以上とすることが推奨されていますがどうでしょうか。明るさや距離感もあるため一概にはいえませんが、目で見た感じに近づけたいと思います。

ちなみに先に言っておきますが、このあと露出調整をすることをすっかり忘れて撮影しています。なので、相当古典的(絞って、近づくかどうか)に撮っています。

方広寺は、1371年に後醍醐天皇(南朝)の皇子である無文元選禅師によって開創された、臨済宗方広寺派の大本山となる禅寺です。寺領は湖北の豪族奥山氏から寄進されました。

奥山家は、先に後醍醐天皇の皇子を井伊谷に迎えて今川家と遠江で戦った井伊家に仕えていた有力親族でした。

後に徳川四天王と呼ばれた井伊直政の母は、奥山家の出身で、湖北の地において、長い歴史と影響力を持つ家でした。

本堂の隣には、開山堂という歴代天皇の尊牌を奉安している建物があり、勅使門から出入りします。皇室関係者しかくぐることはできません。宮内庁の管理地になっているようですが、やはり風格がありますね。本堂にも菊の御紋が記された勅使玄関がありました。南朝からつながるご縁です。

本当に別天地のような静けさのある壮大な伽藍です。ゆっくりと歩き、思索するにはとても良い場所でした。

2026年

3月

07日

H邸 断熱工事

H邸の断熱工事が進んでいます。

省エネ法の基準に適合する、高性能グラスウールを外壁と天井裏に施工します。

日射を受ける屋根に近いほうが断熱材も厚くなるので、外壁105ミリに対し、天井裏は155ミリのグラスウールを施工し、布団のようにフカフカです。

 

断熱材の内部側には気密シートを張って、室内の湿気が壁内や天井裏に入らないようにします。プラスターボードは石膏なので透湿性が高いため、特に注意が必要です。

これをやらずにグラスウールに湿気を吸わせ放題にして、外気側をシーリング等で密閉してしまうと、湿気が抜けずに壁内や天井裏でカビたりします。たまに新しい家なのに明らかに北側の外壁が汚れていたりするのを見かけますが、北側は水回りや室内干しのランドリールーム等を配置する家が多いため、起きやすい現象です。

 

もちろん、当事務所は内気側は気密、外気側は通気を徹底して、壁内の断熱材や材木の状態を常にドライにし、各性能が十分発揮される、耐久性の高い安心な建物となるよう努めています。

この辺りの作業は、各工種の職人がバラバラにやってはダメで、全体的な施工理由を事前に皆で共有するように徹底しています。残念ながら職人さんの中には、頼まれたことはやるけど意味は分かってない人もいるため、たまに驚くことをやってしまう例も多々あるので…。

 

ちなみにこの現場は、大工さんのT君が棟梁のIさんの下で頑張っており、私もよく声をかけ一緒にやっていますので、大丈夫です。頼むよ!

2026年

2月

13日

静岡サレジオ幼稚園 最終工程へ

静岡サレジオ幼稚園の工事も、完成まで残り一ケ月となりました。

この頃になると、最後の段取りを指で数え、まとめる作業になってきます。

あれやって、これやって、最後にこうして…。

この日は造作工事と塗装工事の調整をつけながら、遊戯室の照明BOXを取り付けています。

大工さんたちの作業を見つめる現場監督の立ち姿に、この現場で重ねてきた月日を感じました。

皆でやりとげる瞬間が、近づいています。

一つ一つ手直しをして確認し、ゆっくりと確かに、その日が訪れることでしょう。

 

2026年

2月

04日

H邸 中間検査

本日はH邸の中間検査でした。

「屋根の小屋組工事及び構造耐力上主要な軸組工事」の終了後に確認検査機関の検査官の方に検査をしていただきました。

基礎工事の施工状況、コンクリートや鋼材の製品仕様、軸組の架構、筋交いや構造金物の取付状況、耐力壁の施工状況等、設計者として工事監理をしっかりと行っていたので、問題なく合格。検査は面倒に感じる人もいますが、いい建築をつくるためには、やはり必要な工程だと思いました。

 

2026年

1月

24日

H邸 建て方

1月吉日、H邸の建て方を行いました。木造平屋建ての住宅ですので、クレーンで荷揚げしながらどんどん進みます。

この日のために綿密に打ち合わせを行い、製材の検品や施工手順の確認もしっかり行っていたので、当日はスムーズに進みました。

お施主様と大工さんたちとお昼を一緒に食べ、夕方には形になりました。見えてきた建物の輪郭を前に、身が引き締まると同時にワクワクする気持ちが湧いてきます。

良い作品に仕上げていきたいと思います。

2026年

1月

10日

H邸 材木製品検査

あけましておめでとうございます。

本日は、H邸の建て方に使用する材木の検品のため、富士のプレカット工場にやって来ました。いざ建て方が始まると待ったなしなので、事前に材木の状態を確認することはとても大切な作業です。人任せにするか、自分の目で見るかで、リスクが大きく変わります。

帰りに工務店の作業場に寄って、化粧柱の状態を確認してきました。どれも素直な良い材です。使う位置や向きを決め、建て方を待ちます。静かに闘志が湧いています。