2012年

12月

27日

巳年人形

 

来年は私の干支である巳年ということで、母が人形を作り届けてくれました。

 

趣味で人形作りを始めてもう何年になるんだろう。

 

祖母の介護があり普段はなかなか外出できなかったけれど、そのぶん家の中で励んだおかげでだんだん上手になってきた気がします。

 

巳年・・・、ためしにインターネットで検索すれば特徴や占いがずらずら出てきます。

 

まあいろいろな言われようはありますが、私個人的には昔から気に入っています。

 

なんだか神の使いのようですしね。

 

来年もきっといろいろあるだろうけど、これを見て和ませてもらおうかな。

2012年

12月

21日

富士の裾野から

本日調査に伺った住宅のそば、富士山南東麓の十里木高原近くから撮ってみました。

この季節のこの標高ともなると、普段遠くから眺める風光明媚な富士山とは違い荒涼とした風景です。

なんだか黒沢明の映画の合戦シーンにでも使えそうなくらいです。

 

帰り道、完成間近の裾野警察署庁舎の現場に立ち寄ってみました。

私がこの建物の設計をまとめ独立してから一年半、県の工事監理のもとやっと出来て来ました。

 

車を走らせていたら昔模型で作ったとおりのものが忽然と現れ我ながらビックリ、あ!ある!!っと(笑)

そういえば東日本大震災の時も火のついたように設計してたし、関係各所と本当にたくさん協議をしたしといろいろなことを思い出しました。いい経験です。

 

しかし今日の写真は少しボケてるなあ、ガスっぽかったからかなあと思ってたらISOが1600になってました。

若干疲れ気味の今日この頃ですが今年もあとちょっと、がんばらねば!

 

 

2012年

12月

15日

新年のご挨拶にかえて

年賀状を準備しようとしていたら今年は喪中であることに気づきまして・・・、遅い挨拶になり恐縮です。

 

この夏祖母が他界しました。長い介護の時を経て、あと少しで100歳になろうかという勢いでしたが、最後は皆に看取られて大往生だったと思います。八木家にとって大きなできごとでした。

 

本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますと共に、明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます。

 

八木 紀彰

 

 

 

 

 

2012年

11月

25日

登呂遺跡

所用のついでに久々に登呂遺跡に寄ってみました。

現在は登呂博物館もでき、様々なワークショップが行われる場所として市民に親しまれています。

写真は博物館屋上からですが、こうしてみると2012年現在の周囲の街並みとのコントラストが凄すぎです・・・。

 

ところでみなさん、弥生時代の建物というと内部の土を掘った竪穴式住居を連想されるでしょう。

しかしこの登呂の住居は違います。

全国でも珍しい土を掘らない住居なんです。正確には「竪穴系平地住居」といいます。

 

何故かというと、ここ登呂村の地は安倍川水系の地下水位が高くちょっとでも掘ると水がどんどん湧き出てきちゃうんです。だから掘らずに建物周りに土を盛って、外の地盤レベルと中の床レベルが一緒になるようにしたんですね。

 

登呂も200年の村の歴史の中で2度の大洪水に見舞われています。最初の洪水の後は、それでも物なりの豊かな地ということで人は戻ってきましたが、2度目の洪水の後は誰も戻ってきませんでした。

昨年の東日本大震災の津波の例もありますが、いつの時代においても生活の場と水辺との関係はまちをつくるに際し悩ましい問題だったのでしょうね。

 

 

 

2012年

11月

11日

小さな庭

東京で住宅の土地相談に乗ってきた帰りに、石神井のちひろ美術館・東京に寄ってきました。

 

絵本作家、岩崎ちひろの作品展示を中心とするこの美術館が建て替えられてオープンしたのは2002年。

もともとは、ちひろの死後3年目の1977年に自邸の一角に誕生したわずか180㎡の美術館が始まりでした。

それから四半世紀。増築を繰り返した既存の建物を改修をするにあたり、建築家の内藤廣はクライアント以上に元の建物を「残す」形での増改築案こだわりました。

 

バリアフリーなどの事情もあり、ある段階で全面的な建て替えに切り替わりましたが、そこで出てきたのが分棟案。「元の配置を生かすことで記憶をつなぐ提案」と役員一同は大賛成だったとか。

 

迷路のような雰囲気に一役買っているのが建物と建物の間の小さな庭。

 

各展示室の繊細な世界観を守るちょうどよい緩衝地帯になることはもちろん、絵を見て次の展示室に向かう途中、庭に目をやるとモチーフとなった子供の遊ぶ姿がなんとなく想像できるかわいらしい場所。

 

大きくなくても記憶に残る庭。

そんな庭がある住宅もまた素敵です。

 

 

2012年

11月

04日

SEA PARADISE

 

久々の休日に、家族で横浜・八景島に行ってきました。

 

周りを海で囲まれた島だから、風通しが良く非常に気持ちがいい。

沖合いに浮かぶヨットを眺めていると、無心になれますね~。

 

ただちょっとリラックスしすぎたのか、娘を見てる役を引き受けながら、

ベンチに座り一人ぐうぐう寝入ってしまいました・・・。

 

目の前のベビーカーで泣き叫ぶ娘にまったく気づかず1時間。

磯で遊ぶ子供たちが、さすがに心配してワラワラ集まって来たとか・・・。

 

だって陽の光と潮風が気持ちよかったんだもん!

でもおかげでリフレッシュできたよ、ってひどい父親。・・・あはは。

 

ところでジンベエザメ初めて見ましたが、肝が据わってますね~。

イルカショーでビュンビュンジャンプしている水槽の中を、

何事もないように時速2kmで回遊し続けまったく動じない!

 

そのコントラストに思わず吹き出してしまいました。

 

いや~、マイペースっていいな~。

 

 

 

 

2012年

10月

28日

三河の奥の宿場町

 

香嵐渓の紅葉で有名な三州街道の宿場町、愛知県豊田市足助町に行ってきました。

 

このまちは昔、三河湾から信濃の飯田を結ぶ塩の道の奥三河の中枢として栄え、現在ではまち全体が伝統的建造物群保存地区に指定されています。

 

山間のなかにぎっしりと建て込んだ街並みが忽然と現れる様には少し驚きましたが、歴史あるこのまちを大切にしながら自分らしく生きる人々がそこにはいました。

 

雨宿りに入ったマンリン書店のカフェギャラリー。

 

土地の生活文化や暮らしをデザインする姿勢は、石見銀山で有名な島根県大田市の群言堂を思い出しました。

 

川安ではおいしいうなぎもいただきました。

 

残念ながら紅葉には少し早かったのですが、飯盛山の山頂からまちを眺めていると、なんだか人々の営みの息吹が聞こえて来そうな路地感のあるまちでした。

 

 

 

2012年

10月

20日

靖国参拝

 

東京都千代田区九段北3丁目1-1。

皇居の北に位置し東西に参道を持つ靖国神社は、明治以降の日本において戦争や国難に際し国家の為に命を捧げた人々の魂を、身分・勲功・男女の別なく斉しく祀る神社だ。

ここ数年来ずっと考えていたが、水戸からの帰り道に今一度行ってみることにした。

 

結論から言えば、行って良かったと思う。

 

良く晴れた秋の週末の神社は静かで、がなり立てる人も、集団で押しかける人もいない。人々は静かに、そして紳士的に参道を歩き礼拝し、見学していた。変わった服装の人などいない。外国人の方も、若い人も、カップルも、普通に綺麗でお洒落な人もたくさんいた。

 

なにより常日頃メディアで意図的に映し出されるセンセーショナルな映像と決定的に異なる点は、訪れる人が皆、自分の目で見て確かめてみようとしている点だ。

特定の思想側に偏ることなく、まず平明な目で見てみようとしている人が大多数だろう。もちろん人の心の中まで分かるわけないという人もいるかもしれないが、そんなことは顔つきや立ち居振る舞いを見てれば大体分かる。

 

 

展示を見れば、日本の教育現場における近現代史というものがいかに割愛された内容であるかがわかる。

 

私は高校生の頃理系の生徒で世界史を選択しており、そして好きで成績も良かったので国際関係に興味を持っていたが、世界史的な外からの目線で考えるとどうも教育現場における日本側の解釈に腑に落ちない点が多々あるように思えて仕方なかった。

自分なりに調べ考えてみたこともあった。そして何より、新聞各紙や報道機関の論調の差の意図的な程の大きさに、合理性を欠いた言論に辟易することが多かった。

 

もちろんこの国には言論の自由がある。何を言ってもいいところがこの国の良いところでもある。

 

だが私の経験や諸外国を見つめ考えてみると、本当に国際的に信用を得る態度というものは、お仕着せられたり改造や追従からくる思想から発せられた言葉で話すことではなく、起きた歴史をその当時の国際情勢や政局をありのままに理解し、その系譜をもって大きく捉えた歴史感から毅然とした態度で話すことでしか勝ち得るものではない。

 

そしてそれを海外の多くの国々は普通にやっている。中途半端な世界市民気取りなど実際ありえないのだと思う。

 

内容が戦争に関してである以上、どうしても辛く思う人もいるだろう。被害や感情的なものに一番に目が行くのは当然のことだ。だが戦争が外交と切っても切り離せない表裏一体のものである以上、なぜそうなったかを内からも外からも考える必要がある。その上で現在や将来の外交の在り方を考えるのがフェアな姿勢だと私は思う。

 

靖国の展示は実は外から考えてみる展示だ。

 

私はこの神社の在り方は正しいと思う。東京裁判の正当性というものを冷静に考えて見れば、代わりの施設などあり得ないのだから。

 

 

2012年

10月

19日

間について

 

何も持たないということは、全てを所有することです。

これは何の思想かというと、禅思想です。

 

建築家の磯崎新は、彼が設計した水戸芸術館の中で、あるインタビューにこう答えている。

 

「間」というものは点と点の間に存在します。音と音の間にも間はあります。

そこには何もないただの空白です。静寂でもあります。無だから聞くことも見ることもできない。でも感じることはできる。そこが大事なんです。

物は物に過ぎない。用が済めば交換もできる。でもその中の空間は、そして音と音の間は最も重要な要素であって、その中に入り体感しなければ意味がない。

 

私が建物の設計をする際に常に心がけていることは体感できる空間をつくることです。視覚だけでなく五感で感じる空間。中に入るだけで感じる空間。あるいは時には、その建物を見ただけで過去に経験したことを思い出すかもしれない。その空間を体験することによって、各自の体験が喚起される。それが空間の果たすべき重要な役割です。と。

 

水戸の地名は水門を意味する。水の出入り口。市内中心部に千波湖や河川が集まる水に関連した土地柄だ。

ただこの週末に初めて街を訪れ思ったことは、街が平坦で建物に覆われてしまうと川を渡ったり迂回する中で今自分がどこにいるのかわからなくなってくるということだった。

 

もちろん慣れればそんなことはないのかも知れないが、建築家はこの文化施設を設計するにあたり併設して大きな塔をつくることで、市内の各所と建物が位置する中心部との間にも「間」をつくろうとしたのではないか・・・と、タクシーの車窓からぼんやり塔を眺めながら思った。

 

古来日本には建築という概念が無かった。もちろん昔だって住宅や建物はあったけど「概念」はなかった。それが日本の建築が抱え込む矛盾であり、大きな問題点。

我々は建築をいかに検証し解釈するか。また伝統的な建物をどうみるべきか。

桂離宮や御所は実に美しい建造物だけど、それを建築とは呼べないんだろう。

 

徳川の歴史と深い縁を持つ地方都市水戸。建築家は塔一本でまちの在り方自体を変えようとしたのかもしれない。

 

 

 

2012年

10月

14日

アーツ&クラフト展

本日は護国神社で開かれたアーツ&クラフト展に行ってきました。

 

日本中から作家が集まり、陶芸や装飾品、木工や金属、織物などなど多くの作品が出品され賑わっていました。

 

特に気が付いたのが木工作品のレベルの高さ!加工から象嵌、家具からはては時計まで、その作りと仕上げの丁寧さに目を見張るものが多かったです。

 

私もクルミのバターナイフを購入。こんな単純なものですが、長さやカーブ、しなり具合や角度まで、一つ一つハンドメイドでいかになじむかを計算しながらつくられたものは本当に使いやすそう。

熱々のパンに、バターやジャムをたっぷり塗ってコーヒーを飲みたくなりました。

 

いろいろな作品の中で目についたものを振り返ると、こういう素材をこういうものに使うんだ、これで用を成すんだ、確かに。という、製品の新しい在り方を提示するものだったような気がします。

 

そしてそこに至るまで、いくつもの試行錯誤がなされてきたんだなあと垣間見れるものがありました。

 

いろいろなお店を見ながら木立を抜けていくと、ふと目の前に知り合いの作家の姿が見えました。

声を掛けようとしましたが、見ると彼はお客さんの前で一生懸命制作中。

 

シャッシャッ、シャッシャッ・・・。

 

ああいう顔でやってるんだなあ・・・。

 

でもそうだよね、ここも勝負の場だもんね。

 

ご挨拶はまたの機会、こちらもいっちょがんばりますかと静かに森をあとにしました。

 

 

 

2012年

10月

08日

秋祭り

 

本日はお食い初めを兼ねて実家の地域の秋祭りに。

 

向こうからやって来るのは「ちょうぼろ」と呼ばれる手作りの引き神輿。

昔と比べて子供が少なくなったとみんなが嘆くけど、子供達にとっては年に一度の楽しみなので、大人達もなんとか存続させようとがんばっているのです。私もご祝儀を持って待ち構えます!

 

私も小学生の頃、あの中に入って太鼓を叩きました。多分、ハレ型移動式小空間の原点です(笑)

 

そ~れや~れや~れよ~、もっとや~れや~れよ~!(掛け声)

テンテケテンテンテケテンテン!テケテンテケテンテンテケテン!

テケテケテケテケテンテケテン!(拍子の太鼓)

 

テン、テテン、テテン、テテン・・・。(常時の太鼓)

 

特にテケテケテケテケのクライマックスのあたりが難しく、やっと変わってやらせてもらったのに、失敗してしょんぼりしたり、ムキになったり・・・。そんなことで一喜一憂しながらワイワイやっていました。

 

例えたいしたメロディーじゃなくても、こうしていつまでも覚えているんだから、祭りの太鼓って侮れませんね~。

 

今年は娘が生まれたので、父があらかじめ頼んでくれて息子の時同様に花火を上げてもらいました。

 

中に子供の名前が入った落下傘が入っていてこれを拾うんですが、追いかけるのが一苦労。風で流されるわ、絶対届かないような木の上にひっかかってしまうわ、うまくできたためしがない!(笑)

 

なので今年は、絶対見逃さないように自転車に乗ってジイッと身構えていましたが・・・。

 

Oh!No!

 

流されるは流される。遠く山の向こうに消えていく。全力疾走で追いかける。川沿いの高い木の上に引っかかる~。

 

ゲット!!

 

・・・ええもうがんばりましたよ、ワタクシ。

 

革靴を傷つけながらよそ様の茶畑に登り、泣き叫ぶ息子を担ぎながら蜘蛛の巣と格闘し、よそ様の畑に横たわっていた10mを超える枝がついたままの竹をウオリャと力ずくで持ち上げて何とか傘をからめ捕り・・・。

 

ふ~。

 

奇跡的に破れることなく無傷で捕獲できました。

 

 

頼むよ御嬢さん、元気に育ってくれよ。

 

パパとお兄ちゃん、傷だらけでがんばったんだぞ。

 

本人があずかり知らないところで起きるドタバタ。

 

本人が分かりもしない御馳走の数々。

 

ブドウをチュッと舐めながら、娘が一番冷静でした(笑)

 

まあとにかく、大きくな~れ!

 

 

 

2012年

9月

27日

内と外とその庭と

 

 

庭と家の関係をずっと考えていたら、煮詰まってしまった(笑)

 

そんなときは、お片づけに限る!整理整頓っ!

 

と、大量の文庫本の整理をしていたら(小説が好きでして)

 

吉行淳之介の驟雨(1954年:芥川賞受賞)が出てきた。

 

ふむ。しばしパラパラ・・・。

 

男と女か・・・。

 

行こう。

 

と、気分転換に(放り出して?)やって来たのは掛川の吉行淳之介文学館。

 

設計は日本を代表する数寄屋建築の名手、中村昌生先生です。

 

基本的に数寄屋であろうと木造建築というものは、構造上自然な安定感を求められる。

 

鉄骨やコンクリートのような一部に応力が集中するような計画はできないので、空間の豊かさを実現するにはその配置計画が大きなウェイトを占める。

 

この建物もそうだ。豊かな空間を実現する肝はハの字型に開いた3つの棟がゆとりを持って配置され、付設された茶室や回廊がアクセントとなり、内部から外部に移動しながら変わりゆく風景を楽しめるつくりとなっている。

 

そしてそ各部の領域の性格に合った庭が建物にどっしりと呼応している。

 

そう、廻る感じ。廻る感じ・・・。

 

・・・っ!!

 

温めておきましょう。

 

 

 

廻り動線といえば、近くにある「ねむの木美術館」

 

建物に入り受付を済ませたら、そのまま建物を突き抜けて外の丘を廻って山際のお尻から入って行く。

 

この行為に何の意味があるのか、中で移動した方が雨に濡れなくて済むじゃないかと言う人もいるけれど、いわばこれは見る人に気持ちの準備をさせる為の仕掛け。

 

人間は下に降りるときは暗さを伴いながら、上に登るときは明るさを伴いながら進むと新たな刺激を期待する心理状態になりやすい。

 

そしてここは障害者の作品を展示する美術館。風がそよぐ芝生の小道を歩く体験を経て、大らかな気持ちでドアを開けてほしいとの願いがある。

 

豪華な仕掛けじゃないけれど、そのランドスケープの考え方こそが建築なんだなあ。

 

いつ観ても変わらぬ良い絵がそこにはありました。

 

 

2012年

9月

23日

めぐり合わせの人生

 

残暑もやわらぎ、夜になると涼しい風が吹いてくるようになりました。

窓を開けていると、風と共にピアノの音が聞こえてきます。

 

そう、うちの事務所の隣の家からは毎日ピアノの音が聞こえてきます。

 

この夏は特にがんばった、夏休み中ずっと練習してた。

と思ったら、新学期の昼間でも聞こえてくる・・・(笑)。

 

いったい誰が弾いているのかはわかりませんが、僕にとってはなによりのBGM。

実家で姉や妹がよく弾いていたからでしょうが、新曲をいつも楽しみにしています。

 

今日、お手紙が届きました。

この夏大阪で出会った御婦人からでした。

 

自分が関わった仕事で感謝されることはもちろん嬉しいのですが、それを超えた人と人とのめぐり合わせというものに深く感謝いたしました。

 

最近、自分の倍ぐらいのお年の方からよくしていただくことが続き、本当にありがたく思っています。

貴重な建築資料をいただいたり、普段は聞けないような話を聞かせていただいたり。

 

社会というもの、人生というものを深く洞察されている言葉の数々が私にとっての宝物です。

 

そして何より、一緒に過ごす時間が本当に楽しい!

 

みなさん、気さくで愉快で。

 

人間の縁というものの射程を大きく持って、歩んでいきたいと思います。

 

 

2012年

9月

13日

ヤマメのつかみどり

 

本日は息子の幼稚園のイベントのお手伝いのために、島田市野外活動センターに行ってきました。

 

年中さん恒例の、ヤマメのつかみどりです!

 

水も綺麗でとてものどかな落ち着いた場所で園児達は大はしゃぎ。

 

 

 

 

放流されたヤマメに果敢に群がる園児達。

 

逃げるヤマメ!

 

追う息子!

 

・・・・・・だめだ、全然ついていけてない(笑)

 

そう、そこだ、ほら、つかめ~。

 

がんばれ!

 

 

 

 

捕れた~。

 

・・・・・・の?本当?

 

いそいそ消えて、どこかから持ってきたような・・・(笑)

 

まあいいか。

 

やまめの感触、わかったかな?

 

小っちゃいね、けどしっかり生きてるんだよ。

 

 

大切なヤマメの命・・・。

 

炭火で焼いて、いただきます!!

 

子供たち、なかなか食べないかな~、と思っていたら、

 

完食していました。

 

ま~たくましくなったこと。

 

子供の成長を見ることは楽しみ。

 

でもそれ以外に他の子の成長を見ることも楽しみです。

 

幼稚園に関わるようになって、子供の育ちを見つめることが増えました。

 

支えて下さる全てのみなさんに感謝です。

 

 

2012年

9月

07日

イメージについて

                                      寺田佳子展 イメージの跡

 

 

今日は個展を見にギャラリーへ。

鉛筆でトレーシングペーパーに表現される様々な作者のイメージ。

 

普段自分もなじみのある素材感だったし、あのさらさらとした表面に柔らかい鉛筆が解けていく過程の中でイメージが残されていくことへの共感もあり気持ちよく見させていただいた。

 

創造的な行為への入口はイメージが支配する。そのイメージを検証するためにいくつものスタディを重ね、より深い意識を探っていくのだと思う。

 

どこまでの過程を作品にするかということを考えながら、昔演劇をやっていたころ「いかに見せるか」を問い続けた日々を思い出した。

 

今自分が向き合っている建築の場合、それが現実に立ち現われてくるから社会性や周辺環境との関係性も考慮されなければならないけれど、こと魅力的な建築という観点で述べれば「そこで何かが起きそうな際立った輪郭がある」ということが大切だと思っている。

 

そしてそれを生み出す背骨となるものはやはり、人間の動的なイメージも包含した詩なのだ。

 

 

 

ランチにCafe Lufusへ。

 

店内から見た窓越しの風景。

 

お客さんは私以外全員女性。

 

健康に良く、卵の使い方も上手。

 

平日、郊外のお店なのに、

気づけば店内は満席。

 

ビジネスを成功に導く、

これもひとつのイメージ。

 

 

 

 

2012年

8月

31日

夏の終わり

 

8月後半は仕事で大阪出張。暑い暑い夏でした。

最終日に「よかったら野球でも」との御好意で阪神甲子園球場に行ってきました。

 

実は甲子園に行くのは初めて。夏の高校野球、大阪桐蔭のイメージが強く残っているまま行ってみたら・・・。

 

ん?おじさんが野球してる。

 

そりゃそうだよプロだもん(笑)!と、頭を切り替え楽しんできました。

 

阪神・藤川vs広島・前田

 

超一流の戦い。

 

普段はプロサッカーばかりだけど、野球もいいなあ。昔より試合のテンポも良いし、後ろの席の阪神ファンのおじさんはおもしろいし(笑)

 

いろんな出会いがあった大阪。心に残るお話も聞かせていただいて、人の縁につくづく感謝です。

 

さあ今夜で夏も終わり。

 

大好きな秋が始まっていきます。

 

 

2012年

8月

13日

セルジオ・ピニンファリーナ

 

お盆ということで、故人の話題をひとつ。

 

先月上旬、世界的デザイナーのセルジオ・ピニンファリーナ氏がイタリアのトリノで息をひきとりました。

フェラーリやマセラティなど多くのカーデザインを手がけ、日本人デザイナーの奥山清行氏が彼のもとで働いたことで知っている方もいるかと思います。

 

「絵ではなく、まず言葉でデザインしろ。

キャッチフレーズや一行で表したコンセプトを聞けば、絵を描く前に成功するかどうか分かる。

細部でなく、全体を設計する建築家のような、本当の意味でのデザイナーだった」

 

と、奥山氏は語りました。

 

人間は理屈や数字で物事を表現されても、視覚的に表現されなければなかなか理解できない生き物です。

デザインの世界で一枚の絵が持つ力の凄さを知っているからこそ、それを生み出す言葉の大切さを身に染みて感じていたのかもしれません。

 

デザイナーとして、経営者として、そして上院議員や経団連のトップとして、大きな器を持ちながら美しいものを追及する姿勢に共感します。

 

そして何よりいい男(写真は1959年)、ちょっとアランドロンに似てる気もする。

憧れです(笑)

 

良き先人の生きざまを励みに、自分もがんばっていこうと思います。

 

ご冥福をお祈りします。

 

 

 

2012年

8月

01日

新国立競技場 国際デザインコンクール

 

新聞紙面でご存じの方もいるかと思いますが、現在の国立競技場を建て替える国家プロジェクト、新国立競技場のデザインコンクールが7月20日から始まりました。

 

「いちばん」をつくろう。

 

もういちど上を向いて生きる国に。

 

世界中の建築家からデザインを公募し。

 

日本中を巻き込む「祝祭」のように。

 

すわこそ!!

 っと要綱を見れば

 

【応募資格】

 

①下記の国際的な建築賞のいずれかの受賞経験があるもの

1)高円宮殿下記念世界文化賞(建築部門)

2)プリツカー賞(←建築界のノーベル賞)

3)RIBA(王立英国建築家協会)ゴールドメダル

4)AIA(アメリカ建築家協会)ゴールドメダル

5)UIA(国際建築家連合)ゴールドメダル

 

②収容定員1.5万人以上のスタジアム(ラグビー、サッカー又は陸上競技場等)の

 基本設計又は実施設計の実績を有する者

 

 

「・・・・・・・・・、え?」

 

まず①建築賞の段階で、日本には数人しかいないし・・・。

②は大手組織事務所のためか。

 

でも御大たちの意図は丸見え。

受賞実績を前提とした世界一決定戦(苦笑)

 

やれやれ、相も変わらず若手は門前払いか。

だったらあんなこと大袈裟にうたわず指名コンペでやればいいのに。

 

と、さすがに一言言いたくもなりますが、

よく考えれば上も下も向いてない、前だけを見てる自分。

 

こんなことはよくあること、コツコツとやるしかない。

いつかやってくる時代のために。

 

 

 

 

 

 

 

2012年

7月

23日

Shuzenji

 

今日は仕事で修善寺へ。

伊豆方面には、西伊豆、東伊豆、南伊豆はよく行きましたが実はここは初めて。

半島の真ん中のここはどこにいくにも通る分、いつも素通りでした。

 

左は地名の元になった「修禅寺」。

 

小さいお寺ですが鬼瓦も軒先の化粧も本当に立派。個人的には寺名の揮毫がかっこ良くて好きですが、さすが開創1200年。

山間の風景にしっとりと溶け込んでいます。

 

 

 

修善寺は谷川に沿った温泉町。

 

暑い夏でも川の音や吹き抜ける風のおかげで、木陰に入れば涼をとることができます。

 

こんな猛暑だから誰も歩いてないだろうなぁなんて思って来たけど、意外とあちらこちらに若いカップルがたくさん。

文字通りアツアツです。

 

ええ、私は黙ってお仕事です・・・(泣)。

 

といってもせっかくなので何かしたい(笑)

仕事終わりに、川の中に造られた足湯に寄ってみることにしました。

ここはなにやらその昔、弘法大師が独鈷杵で岩を叩き温泉が噴き出したとか。

 

川音を聞きながら風に吹かれ、緑を見ながら足湯につかる。最高じゃないですかと期待に胸をふくらせてザブリと足を浸けると・・・。

 

アチッ!!アチチチ!!アッツ!アッツ~!

なんてこった、一瞬で足真っ赤(泣)。

むぅ、弘法大師恐るべし・・・。

 

 

2012年

7月

15日

Chapel

教会以外にも結婚式場に付属されているチャペルはたくさんありますが、ポイントはやはり「いかに光が降り注ぐか」
本日は六本木のグランドハイアット東京で結婚式に出席してきました。
ここのチャペルは、縦方向に木製ルーバーが張られた壁面が上にいくにしたがい絞り込まれ、十字架の後方上部から降り注ぐ光がルーバーに陰影をもたらしながら広がるという空間。
新婦のウエディングドレスのトレーンがとても美しく見えました。
前日までの悪天候が嘘のように、真夏の突き抜けた青空が祝福してくれた結婚式。
個人的には二人の紹介のくだりで既にジーンときちゃったけど(基本涙もろいんです)、皆の笑顔でいっぱいのひとときでした。
素敵な二人に幸せが訪れますように。
おめでとう!!

2012年

7月

11日

20年

 

先週末に久々に見たJリーグ。

 

地元のチームも気づけば20周年を迎えていました。

 

その間の私は、静岡を離れ横浜や東京に住んでいたり、静岡に戻ってからも熱心なファンではなかったけれど、群雄割拠の最近のJリーグの中で常にJ1で代表を出し続けるチームとして存在しつづけてきたことに感慨深いものがありました。

 

まあ欲を言えば、前半戦の成績がそのまま後半戦も続いてくれればいいんだけれど(笑)

高度に戦術化された現代のサッカーでは、相手や状況に合わせた試合運びと自分たちのチームはこうだというコンセプトが混ざり合い、正直特徴的なチームカラーを見出しにくい。

 

この試合も見ている限り、選手のユニフォームを交換させて試合をさせても、どっちがどっちかわからなさそう(笑)

 

だけどそんな葛藤やジレンマや悔しさや焦りやもろもろのものがごちゃ混ぜになった時間を過ごした先に、何かを掴む一瞬があり、歓喜が生まれる。シンプルだけど、この原理はやはり変わらない。

そんなことをスタンドで思いながら、今取り組んでいるプロジェクトのことを考える。

 

もう何十枚スケッチしたんだろう・・・。

 

まだピンとこない(泣)

 

多分脳のどこかで今までとはまったく違うことを考え求めている。それだけはわかる(笑)

 

帰りに広場の街灯に興味を持ち、何も考えず無邪気に乗ってみる息子がなんだか羨ましい・・・。

 

一瞬よ、来い!来てくれ(笑)!

2012年

6月

29日

一歩一歩

生徒たちが伸びてきています。

 

今日は第二課題の追い込み。

グループで意見を交わし合いながら、どんどん新しいアイデアが生まれてきているようです。

うまくいかず悩むのも大切な経験。がんばって壁を越えて欲しいと思います。

 

私が関わるようになり早3ヶ月。

いろいろな生徒がいますが、一番大事にしてもらいたいことは自分の能力を発見していくこと。そして素直に向き合い伸ばしていくこと。

デザイナーとして美しく創ることはもちろんですが、本当はそれは二の次。自分自身をいかに超えていくかが一番大切だと思っています。

 

生徒たちの姿勢が変わっていく姿を見ることが何よりの楽しみのこの頃です。

 

「浜松城公園に建てるブライダルショーのためのパビリオン」

 

来週のプレゼンに向けラストスパート。みんな頑張れ!!

 

 

2012年

6月

17日

父の日

 

妻が入院中なので、最近は少し淋しい思いをしてた息子が笑顔で渡してくれた私の似顔絵。

 

家で男同士二人で過ごしているときには何も言わなかったのに、どんな気持ちで画用紙に向かったのかな。

 

ありがとう、とっても嬉しいよ。

飾らしてもらうよ。

 

またよろしくな。 後で赤ちゃん見に行こうな。

 

 

 

2012年

6月

13日

家族が増えました!

 

本日、娘が生まれました。

 

体重3200g、身長48.5cm。

 

母子共に健康で一安心でした。

 

これで八木家も4人になり、さらににぎやかになりそうです。

 

 

いい機会なので、ついでに我が家の紹介を少し。

 

結婚は私が29歳の時で、翌年息子が生まれました。

 

妻はカメラマンです。

ブライダルやベビー&キッズ、ファミリーフォトを主に手掛けています。

元々は美大で油絵を専攻してまして、お互いアート全般やバイクが好きな縁で付き合うようになりました。

 

息子は現在幼稚園の年中です。

これがまあ伸び伸びした子供でして、昭和の男の子らしく私は大好きです(笑)

 

家庭の雰囲気として、私は明るく笑いがないといけないと思っているので、礼儀や怒る時はしっかり言いますが基本的にはボケ担当。だけど最近、パパ変なことばっかり言うと言われ・・・、ツッコミを仕込中です。

 

家族仲良く、これからも仕事を頑張っていこうと思います。

 

2012年

6月

10日

BBQ

 

本日は安倍川親水公園でバーベキュー!!

 

幼稚園の役員仲間総勢10家族が集合しました。

 

今まで数えきれないくらいに渡った川だけど、こういう利用は実は初めて。

 

広々して小川もあって、子供たちも皆で大興奮。

 

明日からしばらく入院する妻も、産前最後に寛いだ時間を過ごすことができました。

 

こういうところでゆったり他の家族を眺めてみると、今まで見えなかったそれぞれのの雰囲気が見えてきたり。

 

息子よ、うちもしばらくパパと一緒にがんばろうな!

2012年

5月

30日

ほたるの里で

 

さきほど家族でほたるを見て来ました。

 

藤枝の朝比奈川上流。

 

かえるの鳴き声や虫の音が鳴り響く里山の川岸でたくさんの蛍が舞い交いながら、小さくも強い命の証を照らし出していました。

 

ほたるの光を見ていると、子供の頃自分の足元を見ながら黙って歩いていた時の気持ちを思い出します。

 

決して嬉しかったり、晴れがましい気持ちばかりではなかったと思う。

 

だからこそ、ほたるに気付いて目を上げた時、自分意外の生の力に見入っていたのかもしれない。宮本輝の蛍川の気持ちもよくわかる。

 

息子の手を握りながら、ゆっくり歩いたあぜ道。

 

少しずつ、夏が始まってきました。

 

2012年

5月

27日

言えば育つもので

金曜日は教えている生徒の第1課題再講評。

果たして仕上げてくるか、エレベーターの中で他の先生方に励まされ(笑)

意を決して教室に入ったら・・・

 

 

出来てる(涙)

 

 

みんなやればできるじゃん!!

 

1週間ずっとモヤモヤしていた不安も一気に吹き飛び、

「よし、仕切りなおしてもう一回みんなでプレゼンしよう!」。

 

そう、この状態が講評だよ~と俄然ヒートアップ(かなり単純な自分)

 

生徒たちも周りの作品がしっかりと出来てることで触発され、議論も白熱。

お互いに集中砲火を浴びながら(笑)、悔しい気持ちや嬉しい気持ちを経験し、

充実感を得た表情を見せてくれました。

 

プレゼンの後でみんなで今回の一番を決め、一番の生徒には私から金メダル(スタバのチョコ)をプレゼント。

ふぅ、こっそり準備しておいて良かった(笑)

 

その後、私のほうから各自の作品と制作プロセスについて総評を行いました。

伸びた作品、伸びなかった作品。壁にぶつかった時どうしていたか、どう工夫できてたか。取り組む姿勢や何かをつかんだ瞬間など、私の目で見て感じていたことをあえて皆の前でオープンに発表すると、各自自分に置き換えて聞いてくれたようで熱心にメモを取っていました。

 

お互い相手の力量と自分の力量がわかっただろう。でも今回は始まり。ここから一緒に伸びていこう。

気づけたことを自分でしっかり掴めるかどうかで成長は変わるからと。

 

その後は気分転換も兼ね、第2課題の計画地である浜松城公園に皆で出かけました。

 

慣れ親しんだ公園もプロジェクトの目で一つ一つ検証していくことで、各自新しい発見やイメージが出てきたようです。

 

ついでに浜松市役所の都市計画課に皆で寄り都市計画図を入手。

役所については、私自身は数えきれないほど来ている実務の場所ですが、生徒たちにとっては新鮮だったようで、街の構造が法律で支配されているということに現実感を持てたようでした。

 

第2課題はグループ課題。

デザイナーとしてのコミュニケーションやコンセンサスの取り方、他人を納得させる表現が出来る力を少しずつでも養えるよう、私も一緒に頑張って行きたいと思います。

 

 

 

 

2012年

5月

18日

学ぶことと教わること

昨日は一級建築士の定期講習。

 

3年に一度受けることが義務付けられている法定講習ですが、知っている内容も多いとはいえ1日みっちり受講するとかなり疲れます。

 

講習の最後には終了考査を受けました。

たまたま隣で有名な建築家の先生が受けていたのですが、回収時にちらりと見ると私とだいぶ答えが違う(笑)

自分が間違っているのかとドキリとしましたがこれは結果を待ちましょう。

 

しかし先生もたしか80歳位になるかと思いますが、こうしてまだまだ現役の意気込みで出てくる姿勢には敬意を払いたいと思いました。

 

この仕事をしていると常に勉強がついてきます。

 

学生時代から、気になったことや表現のこと、いろいろなものを見に行ったりと忙しくもそれが当然と思い過ごしてきました。特に作品に指摘を受けた後などは、悔しくて眠れないことが当たり前。そこで自分がどう動くかで大きく変わってきたと思います。

 

私は、自ら時間やお金という対価を払って得るものだけが本当に身に着くものと思っています。

 

今日は、教えている生徒たちの第一課題の講評でした。

 

非常に残念ですが大半の生徒が未完成でプレゼンに臨む状態でした。3週間前の前回授業で再度告知しておいても駄目でした。

 

聞くと、授業時間外で時間を割くのはおかしいとのこと。私たちは忙しいんですと。

 

絶望を押し殺し、顔面のヒキツキを必死に抑え込みながら(笑)、時間を取ってデザイナーとしての生き方を話すことになりました。社会に出て約束を守ること、信頼を得ること、自分のためにいきること、今をどういきるのかということ。

 

根は素直な生徒たちです。学生だからお金もなく苦労があるのは今も昔も変わりません。草食系とは思いません、ただどうしても若いから狭い考えになりがちで、周囲のお膳立てに慣れてしまっているのかもしれません。言ってくれる大人がいなかったのかもしれません。

 

少なくとも講評で周りからいろいろ言われた悔しさだけは忘れちゃだめだ。自分に対する負けん気がないようだったら道を変えた方がいい。残酷だけどここはそういう世界だ。変わる人間は一瞬で変わるぞと。

 

はじめてお互い話せた、いい機会だったのかもしれません。

 

と、思いたい。

 

しかしこうも思います。

 

ただ教わってる人間を責めるのは簡単だけど、教えることも難しい(笑)

 

悩んで学んでです。

 

2012年

5月

12日

新茶の季節

連休が明け、新茶ができました。

 

私と妻それぞれの実家に自分たちが飲む分くらいですが茶畑があるため、この時期になると必ず会話にお茶のことがのぼります。静岡らしさこの上ない話ですが、毎年ありがたく飲んでいます。

 

なので今日は普段お世話になっている人々にお茶を配りに回ってきました。人に会いに行くと不思議なもので、途中で立ち寄った公園や行く先々の場所でいろいろな知り合いに遭遇したり。

 

これならもっとお茶を持って行けば良かったな~。

 

昨夜は幼稚園の父母の会の懇親会に参加し、お父さん方とどっぷり飲んで気づけば3時。

幼稚園の役員もどんなものかと最初は不安でしたが、やってみると気の合う人たちが多く、この年で友達ができる楽しさに目覚めてます(笑)

 

何事もやってみるもんです。同じ日常のはずなのに世界の色が変わってきます。

 

お茶で二日酔いを治しながら、人の縁とつながりの不思議さに思いをめぐらす一日でした。

 

 

 

2012年

4月

30日

すぐ横の奇跡

 

 

ふと目を向けた瞬間、立ちつくしてしまった。

 

うららかな陽ざしのなかの、絶妙な距離感。

生い過ぎず、枯れ過ぎず、適度に木々に囲まれた心地よい空間。

 

「緑の絨毯を進んだ先には自分のための特別な場所がある」

 

と本能的に感じるような、奇跡のような状態に出会いました。

 

 

 

2012年

4月

27日

気づけばゴールデンウィーク

今朝いつものように新幹線に乗ろうとチケット屋さんで切符を買おうとしたら値段が上がってました。

聞くと今日からゴールデンウィークなので回数券が使えないとのこと。

 

それは知らなかったけど、そうか~、もうゴールデンウィークか~と思わずため息。

 

ここ半月は講義や現場調査で移動が多く、時が過ぎるのもあっという間でした。

 

ただ自分的には移動することはいいことで、浮かんだアイデアを動きながら頭の中で整理したりしています。

ずっと悩み続けていた二世帯住宅の計画も、ひょんなところで今までと真逆のプランが浮かんだり。

そんな時はすぐに机に向かわず、アイデアを寝かせながら泳がせて一気にプランをさばくことにしています。

 

クリエイションの瞬間は、まさに「神が降りてきた」かどうかにかかっていたりして。

自分の口癖なんですが(笑)

 

最近生徒達を指導しながら、他人がデザインしたいろいろな計画に向き合うことも悪くないなと思うようになりました。

レベルの問題ではなくて、一瞬で問題点やいいところを見つけてアドバイスし、すぐにリセットして次の作品に向かうというプロセスをどんどん繰り返していると、まるでスポーツをやっているようにもの凄い勢いで脳の筋肉が動いているような感じになります。

 

だから帰りの新幹線ではいつも頭が空っぽです。

 

ゴールデンウィーク、皆さん楽しんでお過ごしください。新東名もいいですよ、広くて。私も何度か走りました。

ただ難点がひとつ。ずっと山に囲まれてるから今どこを走っているか分からない(笑)

 

2012年

4月

13日

新学期

新学期が始まりました。

 

私も今年からは幼稚園の父母の会の役員を務めることになったり、専門学校で設計を教えることになったりと、いろいろな場で教育に関わることになりました。

 

役員として臨んだ入園式。小さな新入園児たちの笑顔や泣き顔を見て、この一年での息子の成長を実感しました。

年中になった彼も、年下の子たちのめんどうをいっぱいみて一緒に遊んであげるんだと張り切っているようです。

 

そして今日は設計の初授業。自分が学生の頃も、出された課題の解釈から始まり、試行錯誤の上にだんだんイメージができてきたことを思い出しました。ひとつひとつ挑戦しながら、柔らかく空間を捉えられるようになってもらえたらと思います。

 

誰もが持ってる大切な個性を、その人自身の言葉を発展させながら、成長の手助けをしていきたいと思います。

 

 

 

2012年

4月

03日

Picture Window

窓のパースの向こうに広がるメタセコイアの並木道。
地面が傾斜しているので、一枚の写真の中に2つのパースの焦点があるようです。
ここは切り絵の美術館。
展示室と展示室をつなぐ廊下には、風景を切り取るピクチャーウインドウが水平に設けられています。
私にとっても、開口部をデザインすることは設計においてとても大切な作業。
自然の中や、市街地の中などいろいろなロケーションはありますが、いつも心がけるのは長く見つめるトリミングと一瞬で横切るトリミングの違い。
連続する時間の流れや人の心理状態をイメージしながら、幕と幕の間にちょっとしたものを差し込めば、それがきっかけとなって少しだけ豊かな気分になったりします。
たまに外から建物を見てると、なんだか窓って外部に対して少しでも豊かな内部空間を獲得する、決意表明のように思えてきます。

2012年

3月

28日

耐震診断

本日は耐震診断。

 

古い住宅の現況診断をするとかなり低い評価点。

 

それを約10倍の強度にするための補強計画を行い、評価点を確認して報告書にまとめました。

 

全面的にリフォームをされるお施主さんなので、併せて補強工事ができそうです。

 

昨年の地震以来心配な方も多いと思いますが、木造の場合に大切なのは何と言ってもバランス。

 

一部だけ強度を上げても駄目だし、しっかりと2階を支える壁も必要です。

 

風や地震で住宅が3次元で揺れた時に、各部分を何が支えているのか。それが連動するとどうなるのか。

 

詳細に紐解いていくと、軸組のおもしろさが見えてきます。

 

強さを備えた建物は、やっぱり安心です。

2012年

3月

21日

ケイサツショ

独立する前に私が設計した警察署庁舎。

昨年の秋から工事が始まっていたけど、遠出ついでに初めて現場を見て来ました。

 

写真は正面側。

まだ1階の躯体が立ち上がったばかりだから何の建物かよくわからないけど、間口は約50m。

これからこれが4層となって、完成は一年後。

 

なんか、でかくなりそうだな~。

 

 

裏側の車庫棟より。

写真左側には富士山が。そう、ここは富士山のすぐ近く。

中は機密でいっぱいだけど、3階以上からは富士山のすばらしい景観を望めるつくりになってます。

 

現場のみなさん、がんばって下さい!

 

 

2012年

3月

20日

せせらぎの街

天気も良かったので、思い立って三島へ。

 

何度も来たことはあったけど、ぶらぶらと散策してみたのは今日が初めて。

 

このまちの特徴はせせらぎ。

 

まちの中に幾筋ものせせらぎが流れていて、まち全体が親水公園のようになっている。

 

大半は川の中を歩いて行けるようにもなっていて、うなぎ屋さんにも(匂いにつられて)、公園にも、カフェにも、今日はすべて川からアクセス(笑)

 

道路や線路とは違う、第三の素敵なインフラ。

 

子供が落ちても溺れるような深さにしてないから、ガチガチの柵で囲われてないし、遊歩道の形状にいろいろ変化をつけることで、足元を意識しながら楽しく歩けるようになっている。

 

少なくともうちの子供はノリノリで歩き回ってました。

でもトゥって何だい、トゥって・・・(笑)

歩き回って喉が渇いたのでカフェwaltzへ。

 

このまちの特徴は重心の低さかもしれない。

 

3階から街を眺めると、高い建物があまりないことに気付く。

せせらぎレベルを愛する市民が多いのか、飲み屋ひとつをとっても路面店が基本だから、必然的にヒューマンスケールの界隈が出来上がっていき、歩く人の姿も多い。まちの規模から想定してたよりずいぶん賑わいを感じる。

 

制度より仕組みだなと感心。

さすが伊豆の元国府。

2012年

3月

16日

距離のデザイン

二世帯住宅を計画している。

 

敷地の制約や建物のフォルムなどいろいろなイメージは浮かぶけど、やっぱり最後に戻ってくるのは家族達の距離感。二世帯住宅とは何なのか、思いを巡らすことも多い。

 

あたりまえのことだけど、二世帯住宅を選択をする人はたとえどんな事情があるにせよ、心の根底のどこかで多世代家族というものを肯定し、その家に期待している。

選択しない人や人間関係にがまんできない人は、最初からそんなことをしないし、最終的にどんなに大変でもがんばってお金をつくり離れて暮らす。

 

人が生活する土地を決めるということは、それほど大きなことだと思う。

 

だから二世帯住宅を設計するということは、わざわざそんな(あえて言えば)選択をした人の住宅を設計するということなのだ。そこを外してはならない。

 

計画にあたり、よく敷地内でまったく別にしてほしいという人がいるが、わざわざそんな選択をしておきながらこういう建て方をした場合、実はうまくいかないケースが多い。

 

人の心は不思議なもので、今まで肯定していたものから否定に走る場合、反動からか、それがうまく付き合うコツとかなんとか理由をつけながら、鵜の目鷹の目で気になることを探し出そうとがんばり始める。

本末転倒になっていることに気付かずに、行き過ぎたプライバシーを求めることは、相手方に対するマイナスの想像力としても働きやすく、ジレンマに陥りやすい。

 

やはり何か、おおらかなものを求めたい。

 

二世帯で生きるということは、人の一生として同時に把握する時間の射程が伸びるということでもある。

過去や未来の自分の人生のステージを日常的に目にするわけだから、当然いろいろなことも思う。

 

しかしだれもがいろいろな世代の人たちと関わり合いながら生きてきたのは大きな事実。

 

同世代だけで生きることの自由さも大切だけど、良き関わりのお返し合いを日常的にできるような家になれば、家族の在り方も違ったものになる。

 

絆や恩返しほど大袈裟ではない、そんな距離のデザインを模索している。

 

2012年

3月

03日

3月3日は

誕生日!35歳になりました。

ええすみません、世間的には雛祭りです(笑)

 

思えば子どもの頃よくからかわれました。

姉と妹に挟まれ、誕生日が女の子の日とくればね(泣)

 

もちろん今は気に入ってますよ。

 

今日たくさんの人に祝福をいただいたころ何をしていたかというと、息子にデザート食べさせてました。

しかもいつもの癖で自分の分は注文せず(笑)

 

世の中の子育てパパさん、ママさん、一緒です!

ついつい自分は後回し(笑)

 

子どもが喜んでるのを見てると、まあいいかってなっちゃうんですよね~。

 

でもさすがに今日もそれじゃあと妻に言われ・・・、

帰りにジャズギタリストがオーナーの珈琲豆屋さんに寄ってきました。

 

甘いものが苦手な私としては、こっちのほうがいいわけで・・・(笑)

 

倉庫を改装した半セルフビルドのお店ですが、一歩店内に入ると香ばしい香りとジャズの調べに包まれます。

 

妻はグアテマラ、私はコロンビアをいただきましたが、呆けたように頭が空っぽになっちゃいました。

いや~、癒されました(笑)表を通る下町の人々を無心で見つめちゃったりして・・・。

こういう時間、大事ですね~。

 

出迎えてくれた子供たち、人柄の良いオシャレなオーナー。

お土産までいただいて、人間の営みっていいなぁとしみじみ思った誕生日でした。

 

MARUKE COFFEE

焼津市小川新町1-9-8

2012年

2月

26日

鈴鹿サーキット

建築士会の東海北陸ブロック大会に参加するため、土日は三重県の鈴鹿へ。

F1とかあまり詳しくないので知らなかったんだけど、鈴鹿サーキットって開業50年なんですね。

この施設と地域経済の関係、本田宗一郎さんが掲げた理想など、興味深いお話を聞いたり特別な場所を見学させてもらったりと貴重な経験になりました。

ちなみに写真右上のガラス張りの部分がVIPスイート席。そこから見渡すと、

 

こんな感じ。

前方に見えるのが第一コーナー。

F1ではフルスピードで突っ込んでいく、このコースの花形です。

 

ここに来れば、遠く鈴鹿の街並みと伊勢湾が見えます。

ブライダルもやっている、素敵な異空間。

爆音が響き渡るコースの中で静かな時間を過ごしました。

 

 

帰りに、名古屋港の先端にある中国木材((株)名古屋事業所さんに建物見学にお邪魔しました。

左側の傾斜屋根は、筏のように敷き詰めた木材を吊って屋根構面を形成するおもしろい構造です。

各所に木の新しい使い方を提示した建物でした。

 

伊勢湾の海風が吹きすさぶ中、私の無理を聞いてアテンドしてくださった中国木材のUさんに心から感謝です。

2012年

2月

21日

face book

いきなりですが、フェイスブック、始めます。

 

今までずっと横目に過ごして(逃げて)きたけど、最近はもう名刺を渡すたびに聞かれるので、ここらでエイ!っと登録しました。

 

でも登録した瞬間、知ってる人達が知り合いかも?ってずらずら出てきたのはどうしてだろ?そういうもの?

ホントこういうの弱い自分(苦笑)

 

HPが基本だけど、なかなかコメントも書きにくかったりすると思うので、肩ひじ張らない交流の場として活用できていったらいいと思います。

 

http://www.facebook.com/yna.office

2012年

2月

20日

PROJECT BOOK

ふう、やっとできた~(喜)

ここ数日の編集作業もひと段落。

八木事務所では設計の概要をまとめた、簡単なプロジェクトブックをお客様にお渡ししています。

 

写真はHOUSE.Sのものですが、施主としては普段の生活の中でもいろいろなことを頭の中で思い描きながら日々を送っているものです。

そんな時、大きくないサイズでちょっと見返したりできるものが手元にあると、新たな発見があったり、イメージが深まったりして良い建築に近づくきっかけになります。

試しに見てみたいという方がいましたら、お気軽にご連絡下さい。無料でお送りさせていただきます。

2012年

2月

17日

京都へ

 

本日は日本建築士会連合会の会議に出席するために、粉雪が舞う京都に出張してきました。

会議が始まる前に、そういえば行ったことのない場所に行ってみようと思い立ち、二条城へ。

ここ、世界遺産に登録されてたんですね(笑)

 

二の丸御殿の回廊式に連なる平面構成は、まさに武家社会における拝謁や生活の様式を、空間ヒエラルキーに置き換えた形式そのもの。

よく考えるとそれを支える多くの人々のサービス部門がなかったけれど、それはもう取り壊されちゃったのかな。

 

会議では京都大学の高田光雄先生による基調講演「京都の景観から考える地域のまちづくり」を拝聴。

京町屋の定義である、まち=いえの集合、いえ=まちの要素を再確認した上で、現代のマンション紛争や景観政策、まちづくりのプロセスをデザインするシナリオアプローチの手法など、興味深いお話が盛りだくさん。

 

なかでも特に心に残ったのが、異なる価値観や利害を持つ人々とプロジェクトにあたるときの心構え。価値調整型のアプローチではなく、価値共有型としたほうが将来像を語れるということ。意思決定を早く決めすぎず、いろいろな選択肢を残して最低限のことだけを決めることの大切さ。

 

地域のまちづくりの問題に対し、活動主体の取り組みを外部から専門的に支援する、支援主体としての建築家にかかる期待と役割を深く痛感し、襟を正す思いに。

 

まちづくりのことを離れても、社会でいろいろなことに役立つような、深く考えさせられることが多かったなあ。

 

夜は高瀬川沿いの料亭へ。

 

素敵なお庭を眺めながら全国から来た多くの人と意見を交わし、おいしくお酒をいただきました(笑)

 

2012年

2月

07日

木曽路はすべて山の中・・・

先週は冷えましたね~。

週末、愛知と岐阜に行ってきました。

名古屋→木曽・馬籠→豊田という初めてのルート。

静岡の県境を出た瞬間に雪を目にし、寒い寒いと言ってもたかがしれていたのかと苦笑い。

 

今回の写真は白黒をベースに。

 

まずは名古屋大学へ。

写真は豊田講堂です。ご存じ地元経済界の雄・トヨタ自動車の寄付により槇文彦の設計で半世紀前に建てられたこの建物。4年前に改修・増設工事も終わり、大学のシンボルとして頑張っています。

奥に見える既存部分は、1960年当時の無駄を排した水平・垂直軸で力強く構成されていて、コンクリートのパネル割も非常にきれい。丹下さんに作風が近い気もするけど、根源的なことをしっかり追及しているから、時が経っても色あせない力強さがあります。

 

 

ところでみなさん、2008年に名古屋大学で学ばれた小林誠博士、益川敏英博士がノーベル物理学賞、下村脩博士がノーベル化学賞を受賞されたことは憶えていますか?

 

東大、京大に負けじと、これを機に理学研究関係の施設がどんどん充実。

野依記念学術交流館やサイエンスギャラリーなど、建築家たちが腕を振るっています。

 

写真は名古屋大学博物館サテライト・ノーベル賞展示室です。

 

博士たちの学術論文の原本青焼きを読んでみて驚き。

科学者だから正しさが重要なのは当然なんだけど、その文章がとても読みやすくシンプルに収斂されています。

ということは、しっかりと研究が昇華されている証拠なんだなあと。

 

まあ、そんな人達だからノーベル賞を取ったんだろうけど(笑)、それでも理論や思想、思考過程や人間性のようなものが随所に滲み出ていて、手書き原稿ってやっぱりいいな~と、つくづく思いました。

 

 

 

「木曽路はすべて山の中である。あるところは岨づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。」

 

島崎藤村の小説、夜明け前の舞台となった木曽・馬籠で一泊しました。

 

坂の上で西を望むと、確かに日本の中央の山塊が濃尾平野につながっていくのを実感できる。

産業も田畑もろくになく、山林も尾張藩に厳しく管理され住民が容易に手が出せなかったこの町では、ここを通る人の往来こそが産業。それを支えることで生活が成り立つ、交通のまち。

 

馬籠宿の石畳。夕方訪れた時には、通りに誰もいなくて不安になったけど、朝になったら観光客がいっぱい出てきて驚きました。

 

藤村記念館の庭越しに回廊を望んで。

回廊は、建築家の谷口吉郎による設計。

 

本陣は燃えてしまったけれど、ここに大名を泊め、街道に対峙する。きっとそのころのアプローチは格や様式によってひとつひとつ規定されていたのだろうと想像できる敷地形状。

靴のままホールにドーンのホテルとは似ても似つかぬ日本独自の空間形式は、貴族たちの生活や日常の仕組みで発展してきたけど、その根底にあるのは様式美に対する厳しさなんだろうな、きっと。

 

 

 

最後に豊田市美術館へ。

設計は谷口吉生。そう、藤村記念館を手掛けた谷口吉郎さんの息子さん。

 

この建物は何度来てもいいなと思う。

建築を始めた時、建築に決めた時、そして建築家として独立した今。

 

建築っていいなぁと、帰り際に振り返って思える珠玉の建物です。

2012年

2月

02日

HOUSE.S

 

風花の舞う凛とした空気の下で、本日は模型の写真撮影を行いました。

 

密集した市街地における住宅プロジェクトです。

 

敷地の東西と南側を住宅で囲まれ、北側の道路に接道するという、ちょっと厳しい環境ですが、狭い日本の宅地事情ではよくあるケースでもあります。

 

きっと同様のケースでお悩みの方も多いと思いますが、worksにアップしますので是非参考にしていただけたら幸いです。

 

基本的に 私の模型は、建築の抽象性を確認するために、あまり色をつけないようにしています。

 

しかし今回のようにたくさんの建物がある場合、輪郭がぼやけてしまわないか少し心配していましたが、真冬の天気に助けられて、クリアな写真が撮れました。

 

建築のボリュームとしては周囲の住宅と同じように街を埋めていくこの住宅が、その土地においてどのように快適な生活空間を獲得していくか。繊細な配慮を一つ一つ積み重ねていきたいと思います。

2012年

1月

24日

誘われるまま…

仕事を抜けて行ってきちゃいました、海に。

 

最近はずっと夢の中でも設計中(まあ、ほとんどいつもなんだけど・・・)

天気がいいから気分転換に写真を撮りに行かない?

とのお誘いに、久能海岸へ。

 

蒼い!

そして波の音で凝り固まったプランが壊れていく~(笑)

 

テトラポッドに登ったの、何年ぶりだろう。

 

そういえば最近こんな形の建築が多いなあ。

先端からトップライトをとって、群島型でつなげる美術館やら何やら。

ゴロゴロメルヘン形式と勝手に名づけたりして(笑)

 

しかし何だろう、この上り下りしたくなる感覚。足の裏で感じる抜群の安定感。

この物体の周囲にまとわりつく領域には、人の運動神経を喚起する性質があるのか。

小学生のころ初めて海に行ったときからやってることは変わらないけど(笑)、

変わらずやらせるところが逆にすごい!

 

景観破壊と嫌われるけど、大量の幾何学が自然の中に置かれると、その内部は特別な空間になる。

 

河口付近を近くで見てみると、小さな流れが物凄い勢いで海に流れ込んでいく。

押し返す波をものともせず、ゆるやかなカーブが砂浜を削りながら、ここしかないという

軌道を描いてどんどん流れ込む。

よくあるように見えるけど、この広い砂浜で、この状況で、自然は正確に決定している。

 

建築もやはり同じなんだろう。

内部環境や形態の話の前に、ここしかない配置をしっかりと追及することが大事なんだろうなとしみじみ思う。

 

振り返ってパチリ。

 

追伸

動いてほぐしたおかげで、プランはまったく別物になりました(笑)

 

2012年

1月

18日

建築甲子園表彰式

 

昨年秋に行われた高校生の建築甲子園。

本県代表の静岡県立科学技術高校がみごと全国優勝に輝きました!

 

そして本日は学校に出向き、運営委員として日本建築士会連合会の方々と表彰式を行ってきました。

 

担当委員として見守ってきましたが、きっとこの子たちは毎日毎晩建築のことを考える日々を送っていて、普通の運動部よりもずっと多くの時間を捧げてきたんだなぁと思うと、本当に良かったと感慨もひとしおでした。

後半は東京芸術大学名誉教授で建築甲子園審査委員長の片山和俊先生による講演会。

風景から生まれる建築の造形について興味深いお話を聞かせていただきました。

 

ピラミッドはナイル川を下るときに遠近法で川が三角形に見えるところからきているとの説や、オランダの干拓地の畑のパターンとモンドリアンの平面構成の相似、中国福建省の山岳部にある客家民居についての考察や、日本の集落調査とまちづくりの手法についてなど、高校生そっちのけで食い入るように聞いてしまいました(笑)

 

 

片山先生が紹介していた「人生に自動ドアはない」という、指揮者の佐渡裕さんの言葉。

 

ドアの向こうに何かあるかもしれないと想像力を働かせ、自分の手でドアを開けることの大切さ。

 

今は無駄と思えるようなことも、寄り道と思うようなこともきっとつながってくる。

 

長い人生をかけて、必ず到達していくという先生の師・吉村順三さんの言葉に、私も背中を押されて帰ってきました。

2012年

1月

07日

新年初カフェ

 

年末年始のすべての用事がすんだ午後、去年から気になっていたカフェに初訪問。

 

妻と二人で、かなり癒されました~。やっと自分の素に戻れた気がする。

 

頂いたブレンドコーヒーはちょっとめずらしい感じがした。すっきりざっくりアラブの風がのどの記憶に残ってます(笑)

 

実はここの店主さんが高校の先輩にあたることをつい先日知り、御挨拶も

させていただいてとても良かったです。つながっていくって、ありがたいなぁ。

 

ifni coffee store

静岡市葵区駒形通り1-2-8-1F

2012年

1月

05日

初詣

 

皆さん行きました?

私は少し遅れて本日富士宮の浅間大社へ。

 

おまいりというよりは、むしろあの綺麗な湧水をお目当てに行ったようなものだけど。ええ、ずっと洗われたくて(笑)

(基本水が好きな、うお座です)

 

おみくじは「吉」、内容はズバリ!

なるほど~と、気を引き締めて、甥っ子たちを引率してきましたよ。

 

千葉学さんが近くで設計したレストランヴァルナが11月でお店を閉めちゃってたのには残念だったけど、富士宮焼きそば学会のお店があるお宮横丁に初めて行けたのは収穫でした。 というか真正面にあるのにどうして今まで気づかなかったんだろう(笑)

 

さあ今年も始めますか。

2012年

1月

03日

迎春

新年あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

 

みなさん年末年始いかがお過ごしでしょうか。また去年一年はどんな年でしたでしょうか。

私自身は人生の転機を迎えたことでいろいろな事がありましたが、世の中を振り返り眺めてみると革命や政権移譲、資源やエネルギー、社会保障に金融不安と、独占していたパイの取り合いや短期的利益の確保に走る姿ばかり。

縮小する社会を前提に、上手な手じまいや撤退方法ばかりが論じられる「逃げ切り型社会」に横行されてはさすがにちょっと困ります。

 

なので、新しいことをやりましょう! 清々しく!

 

写真は年末にかけて進めてきたプロジェクトで、カフェとアトリエと住宅のコンプレックスです。

自然豊かな環境の中に、なるべくシンプルではっきりとしたフォルムの建築を連棟で置くことでランドマーク性と親しみやすさを与え、訪れた人がその土地を気軽に楽しめるプログラムを計画しました。

詳しくはWorksのほうにUPさせていただきますが、この建築が地域の新しい核になり、そこから新しい流れが始まっていくことを企んでいます。

 

楽しく魅力的な状況を自由に創り出すため、八木紀彰建築設計事務所は今年もがんばります!