ブログ

2020年

11月

08日

S様邸 外壁

11月に入り、外壁ファサードが立ち上がって参りました。板金屋さんと朝現場で張り始めた瞬間に、「あ!いいじゃん!!」これはカッコ良くなると八木は確信いたしました。

現場のテンションも上り、来てくれたお施主様も喜んでくれたので安心しました。鉄骨建方時からの変遷を写真にしてみましたが、やはり嬉しいですね。ちなみに白い透湿防水シートの下には、外断熱のスタイロボードが張られています。

 

この外壁材は、表面はガルバリウム鋼板で耐候性が高く、芯材は15ミリの成形断熱材でできています。金属サイディングの欠点である遮熱性に対応した建材です。そのため一般の窯業系サイディングと比べ重さが1/5程度で軽量なため、地震力による揺れを抑制することができるため、構造部材サイズの合理化につながりました。また、継ぎ手でシーリングを使わない納まりなので、防水性が高いのも特徴です。

そして何より私が重要と思い拘ったのが、その裏の通気層です。

縦胴縁を途中でカットして隙間を設け、足元から入った空気の上昇気流が、横方向にも逃げられるよう通気ルートを確保しています。

外壁に取り付く設備機器や窓サッシが途中にあっても、建物一体で気流が廻り、最後には必ず屋根の笠木まで辿り着き、外部に空気を排出できるような計画としています。

壁面の作り方としては、建物外側から順に、外皮遮熱層、通気層、防水層、外断熱層、内断熱層、内部仕上げの構成となっています。

 

 また、外壁下端の止縁には、底に水抜き穴を現場加工開けてもらい、雨水が入り込んでも溜まることなくスムーズに排水できるようにしてあります。

私は常々思うのですが、見せる部分を美しく維持していくためには、見えない部分に倍以上の努力を注ぎ込むべきだと思っています。

「ディテールは、より緻密なディテールで支えられている」

下地工事がいかに重要か、現場で監督さんや職人さんに伝え続ける毎日を送っています。

2020年

11月

02日

S様邸 内装下地、断熱施工

このところ内装の天井、床、壁下地が一気に進んでいきました。毎朝現場で指示を出しているので気づいたらあっという間に時間が過ぎていました。

今回は下地を木で組んでいるので、細部の納めが加工しやすく、大工さん達が工夫できるのが最大の利点。よく相談しながらやってます。床根太も105✕45@303で組んでますので、天井野縁も設備類もガッシリ自由に吊れるようにしています。ドンと来い!って感じです。

外断熱のスタイロボードで覆ってきているのですが、南側の開口が広いから室内が明るいですね。

下地胴縁と共に、断熱材も施工します。一般的に鉄骨造ではヒートブリッジが悩みのタネかと思います。

そこで今回は、鉄骨の外側(壁・屋根共)に外部からの遮熱を目的とした外断熱スタイロボードを張ります。そして内側は室内の保温を目的としたグラスウール(壁内は100ミリ厚、天井は155ミリ厚高性能タイプ)でしっかり断熱し、快適な室内環境をつくります。

この辺りは丁寧に丁寧に、設備配線や造作納まりと並行して進めています。

2020年

10月

29日

S様邸 防水工事

本日は天気が良いので屋根のFRP防水を行いました。平場の突付なので、施工を邪魔しないよう足場からそっと見守りながら。遠くには富士山も見えました。

天井根太の上に構造用合板を張り、その上に断熱材スタイロボードを敷き、防水フィルムを敷いてケイカル板張り、迄が下地です。

そしてそこからFRP防水。法22条地域として火の粉に強いよう、ガラスマットは二重張り仕様です。トップコート色はグレーでまとめ、立ち上がり天端まで切れ目なくグルっと施工して完了です。

2020年

10月

18日

S様邸 根太組み

現場では床の根太組みが進んでいます。同時に鉄骨胴縁や土間下砕石敷きなど、色んな職人さんが忙しく働いています。

先日、階段の手摺が付きました。休憩時間に一枚パチリ。職人さんの帽子が引っ掛けてある風景が微笑ましくも現場らしいなと思いました。秋の良い日差しが気持ちいいですね。

 

さあ皆さん、頑張っていきましょう。お願いします!

2020年

10月

14日

東山旧岸邸

仕事で御殿場に行った折に、東山の旧岸邸を見学してきました。

東名高速より東側の東山地区は、明治の頃から多くの政財界要人や外国人の別荘が建てられた地域。緑豊かで落ち着いた環境は、人々の心身をリフレッシュできる社交の場になりました。

 

この建物は1969年に竣工し、施主は元首相の岸信介氏(先日辞任した安倍総理の祖父)、設計は近代数寄屋建築の大家の吉田五十八氏が手掛けました。

 

北側から木立を抜けてアプローチし、玄関ホールを抜け来客用の居間に入ると、南側には小川の流れる開放的な庭園が広がります。上の写真は庭園からの振り返り。

庭越しに森を眺めているだけで、心が癒やされていくのが分かります。海の別荘とは違う、森の別荘の良さですね。

内部の造作や使用している材は、どれも丁寧に良い材が使われています。納まりのディテールも艶があります。

設計した吉田五十八氏によると、政治家の別荘はいかに私的であれ、いつ公的な要素が入ってくるか分からないので、サービス部門を中心に配置し、来客スペースと生活スペースをスムーズに分ける空間構成に配慮したとのこと。数寄屋の大家といえどそこは一流の建築家、押さえるところは押えています。事実この建物を建てたのは岸さんが総理を辞任した後ですが、日本の各国際団体の要職を努めていた関係でアラブの国王まで訪れていますしね。

 

住まいとしての機能が美しい自然と一体になった、素晴らしい建物でした。

もしひとつ言えるなら、床材の張替えを検討してもいいかも。なんてお節介かな・・・。

2020年

10月

06日

S様邸 コンクリート4週強度

さて、基礎コンクリートの強度はどうなっているか?

今日は4週間工場で養生しておいたテストピースの強度試験。結果は36.5N。設計が24N、補正で+6N足して、合計30Nだったので、良質な基礎コンクリートとなりました!自信あります。

こうしてしっかり検査して確認しておけば、お施主様も安心です。

これから長い年月、この家をしっかりと支えて下さいね。

2020年

9月

30日

S様邸 確認中間検査(建方)

本日は中間検査の第二回目。「屋根の小屋組み工事及び構造耐力上主要な軸組工事」が終わりましたので、検査官に見てもらいました。鉄骨の工程には主に、建方、建て寄り、本締め、溶接、超音波探傷試験、サビ止め塗装等があり、八木紀彰建築設計事務所では、重要工程では事前に工事方法の指示及び現場立ち会いを必ずしています。今回はサビ止めも2種類使用したり、外壁胴縁の止め方を工夫したりと、詳細な施工が求められたので、職人さんと常に一緒にいたような気がします。

みんなで頑張って、無事検査は合格。ほっと一息です。

2020年

9月

22日

yamanashi

9月のシルバーウィークに山梨県立美術館に行ってきました。ここはミレーの作品を展示する美術館として有名です。ちょうどクールベの特別展もやっていたので、中学生時代にクールベの模写を描いたことのある身としては興味がありました。

建物は前川國男の設計です。昨年弘前で前川建築を巡ってから、やっと山梨に来ました。タイルを用いた設計、開口部のプロポーション、閉じているように見えながら、内部に入ると落ち着いた光に満ちる空間は、とても気持ちが良いものでした。ただ明るいとは違う、利用者の心理を汲み取った調光です。

動線が伸びやかに進む平面計画は、寸尺の箱に間を納める日本的な感覚というより、道を進みながら何かが現れる、コルビュジェ直伝の感性なのかもしれません。

展示されていたミレーの「種を蒔く人」は、雄々しくてとても素晴らしかったです。農民の力強さを感じました。

その後は武田信玄の躑躅ヶ崎館跡の武田神社へ。大きな神社ではありませんが、やはり地図で見ているだけと実際に来るとでは違いますね。甲府駅のあたりから地形が北に向かってずっと坂になっており、その上に建っていました。強固な防御施設とせずとも、ここから街を見渡し、領民との距離を縮めた程々の感覚が、甲府に経済発展を導いたのかもしれませんね。「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」。なんとなく信玄の眼差しが分かったような気がしました。

2020年

9月

16日

S様邸上棟

本日は大安吉日、天気は晴れ。

S様邸の鉄骨建方開始、上棟です。

 

午前8時30分から2t車で7台の鉄骨が運ばれて来ました。今日の分は主に柱とメインフレームの大梁です。仮組みをして建物の骨格を組み立てる作業を行います。

3階建ての柱は、2階の途中で現場溶接して継ぐようになっており、柱と梁のパネルゾーンは工場溶接で組み立ててあります。その部分は前回工場検査の時にチェック済みです。

敷地に余裕がない中で、道路際上空に電線が通っているので、これに当たらないようクレーンで部材を釣り上げて慎重に設置しました。

みんなで安全管理に一生懸命務めました。

 

こうしてみると2階の梁が一番梁せいがあり、3階、R階に行くほど負担が軽くなる設計になっているのが分かります。この日は上棟式も無事行い、良い建方になりました。

2020年

9月

15日

S様邸コンクリート仕上がり

コンクリートの打設後、型枠の規定存置期間を経て脱型し、基礎コンクリートが現れました。目視ではジャンカや割れなどもなく、良質なコンクリートの予感。私は毎日手のひらで表面を触って祈ってましたからね(ちょっと変な人かも)。ちなみにコンクリートは硬化に向かって化学反応を起こしていると少し暖かいです。

さて本日は、打設後1週間経過後の強度を確認するためコンクリート工場にやってきました。

3本の供試体の平均強度が、設計強度の8割あれば明日の鉄骨建方にいけるかなと思いつつ。

結果は平均25.2N/mm2。設計強度が24N/mm2だから、80%の20N/mm2ぐらい出てればと思って来ましたが、予想以上の良い結果。実際に現場打ちした24+補正値6=30N/mm2✕80%としても24N/mm2なので、それも上回っています。

もちろん工場で標準養生(一定水温のもと理想的環境に置かれたもの)されたものと、現場で鉄筋があり温度変化ありの厳しい状態に置かれたものとは違うので、このくらいの結果でも気を引き締めていいのかも(と、工場の方に念を押された)。

いずれにしろ、明日の鉄骨建方を迎えるコンクリート基礎としては強度は十分。

現場では、埋戻しされたコンクリート基礎が静かに時を待っております。

2020年

9月

08日

S様邸コンクリート工事

本日はS様邸の基礎コンクリート打設。ここまで大変なこともありましたが、何とかこの日を迎えることができました。

と思ったら、過ぎ去ったはずの台風の名残りで午前中は凄い雨、雷まで鳴る始末。延期するか、どうするか、明日の天気はと全員で協議。

しかし!昼前に雨がやみ、「今だ!!」と基礎底に溜まった雨水をポンプで排水し、更にスポンジでドロを清掃し、午後から打設を開始しました(結果的には、濡れた型枠に打つことができて一番良かったのかも)。

今回の配合強度は設計強度24+補正6=30。スランプは15。強いコンクリートを打ちます。高周波をかけ、突き棒も活用し、計画数量ちょうどで完了。最後は柱天端廻りの清掃と、打設面の鏝押さえ、養生としてシートを掛けて本日の作業を終了しました。

私も一日中汗びっしょり、緊張感を持って職人さんと一緒になって作業をして疲れましたが、やりきった!現場にも連帯感が生まれました。

2020年

9月

03日

S様邸 確認中間検査(配筋)

昨日は確認中間検査でした。

結果は合格です。

 

重量鉄骨造ですので、基礎も通常の木造住宅よりハードになります。決して大きな面積ではないのですが、この鉄筋を組むために、8月後半は大変でした。

猛暑の中、職人さんが頑張ってくれました。

工務店と監理者もしっかり自主検査し、徹底的に手直しを行いました。

合格証も頂きましたので、現場は次のコンクリート工事に向かいます。

2020年

8月

21日

S様邸鉄骨工場検査

昨日はS様邸で使う鉄骨の工場検査に構造設計者と行ってまいりました。写真のように各部材も出番を待っています。製品の寸法や仕口の確認、溶接部の超音波探傷検査など全てOKでした。

鉄骨って傍で見ると独特の雰囲気があり、美しいものです。

ちなみに現場の方はというと、ただいま鉄筋工事の真っ最中。

猛暑の中(本当に暑いんです)、職人さん達が一生懸命組んでいます。

この日は地梁の主筋を圧接して、超音波探傷試験を行いました。

 

今回は重量鉄骨の建物なので、木造2階建て程度のベタ基礎のようにはいかず、がっしりと鉄筋を組んでいきます。後からコンクリートに隠れるところなので、重点監理です。

2020年

7月

31日

S様邸埋蔵文化財

S様邸、本日は静岡市埋蔵文化財課の立会い検査でした。長い雨で予定がずれてしまいましたが、なんとか今月中に行うことができました。

 

このあたりは弥生時代の遺跡地域に含まれるので、根切りが終わった段階で、遺跡が出てないか確認をするのです。それだけ昔から住みやすい地域ということでしょうか。

今回の掘削は、GLから1300程度の深さなので、特に遺跡が出ることも有りませんでした。工事によって深く掘った場合にもし出たら・・・、工事を一度止めるそうです。ちょっと大変そうです。

 

いや~良かった。

地盤も砂礫層で耐力的には良好なので、このまま土工事をきっちりやってもらいましょう。

2020年

7月

14日

S様邸地鎮祭

7/12(日)はS様邸の地鎮祭でした。7月の豪雨の中で、この日だけ奇跡のように晴天でした。

設計に着手したのが1年前。いろいろなことを経て、こうして無事執り行うことができとても良かったです。しばらくは天気を睨みながらの工事になりますが、関係者一同協力して、頑張っていい建築をつくります!

2020年

5月

27日

名刺入れ

静岡聖母幼稚園の園長先生に名刺をデザインして差し上げたら、お返しに名刺入れをいただきました。なんと使われている素材は、久能山東照宮御神木のヒノキ。静岡県現代の名工/青島清一氏の手によるもので、蓋を乗せるとフワ~と下がって閉じるのです。

 

園長先生のお父様が材木屋さんで、その縁でご入手いただいたとのことでした。園長先生、お父様、ありがとうございます。八木は何度もなでて香りをかいでおります。

改めて本年度よりの園長先生の就任を祝うと共に、今後の活躍をお祈りしています。

2020年

5月

20日

新茶

新茶のパックができました。

味は、うん、あの土地の味。と、あの土地の匂い。

これは自分にしか分からないか(笑)

甘みとともに、舌の両サイドのちょっと下からコクを感じます。

リーフのお茶ですね。

 

そう考えるとペットボトルのお茶って、

産地が分からない味がするんだよな~。

 

 

2020年

5月

10日

URAYAMA FARM お茶刈

ゴールデンウィークにお茶刈をしました。

2回に分けて、合計90キロ。それを製茶してもらって21キロの新茶ができました。

 

今年は気候の影響で成長にばらつきがあり、畝によっても差がありましたので、良さそうなところを選別して取りました。

 

早速できたお茶を淹れて飲んでみましたが、想像より?まろやかな味でした。

この土地の味というのでしょうか。

ありがたいことに注文もいただいていたので、なんとか届けることができそうで良かったです(前述の通り、とても少数のキロ数なので(汗))。

今年はコロナの影響で外出することができず、苦しい日々ですが、こうして自由に自然に触れ合える場所があるということは貴重な事ですね。目の前のキウイ畑越しに南を望む風景が私のお気に入りです。

心のリセットをし、また来週から仕事に向き合いたいと思います。

 

2020年

4月

25日

高草山

焼津市の高草山に登ってきました。

笛吹段公園からの一枚です。

 

志太平野で育った身としては、平野の東にそびえる高草山の姿を見ない日はなく、標高501mというその高さから、富士山は高草山の7倍以上なんて思っていたものでした。

 

とはいえ登ったのは今回が初めてで、志太平野が一望できる眺望に感慨ひとしお。

小川国夫がどこかで志太平野の姿について書いていたことを思い出しました。

こう見るとなかなか豊かな所なんだなあ。

2020年

3月

08日

伝統建築の調査

年末から時間が経ってしまい、気づけば誕生日を迎えていました。

ブログを書こうとはしていたのですが、諸々はっきりしない日々が続き、手控えていたらこの季節。ここまで間が空いたのは初めてです。

年明けには横浜国立大学の同窓会から3月下旬の作品展覧会の出品依頼がありましたが、コロナウイルスの影響でイベントは中止になりました。JIA静岡の方でも、毎年4月の総会時に開催する建築家講演会を中止とするなど、影響が出ています。

一方で2月中旬に行ったみかんぐみの竹内さんによるエコハウスの講演会は開催ができ、多くの来場をいただきました。設計者仲間に久々に再開することもでき、嬉しい時間が過ごせました。

 

昨日は懇意にしている構造設計者に、伝統建築の現地確認をしてもらいました。私自身は価値のある材を使ったものだから大事にしたほうがいいと常々考え、住まい手にも伝えていたのですが、古いから構造的にどうなのか不安もあると思い、セカンドオピニオンとして一度見てもらいましょうと機会を設けました。結果は大丈夫だろうと。もし補強をするならここというところもありますが、全体で支持する柔構造のため安易に壁を入れるとそこに応力が集中するため、控えめな考え方のほうがいいかもしれません。

 

あとはその建物をどのようにしていくか。住まい手の判断になってくるかと思います。

 

ちなみに私は、古い建物の現在における価値を図るときに、経済合理性や構造的な数値だけで全てを決めるのではなく、地域での根付き方や周辺環境との関係、使用材料やそこでの時間や思いを時間をかけて判断すべきだと思っています。人には立ち入れないものと、人と話して整理していくものとありますからね。

大事なものは、できるなら大事にしてあげたい。そんな風に思いました。